キャリア別 リフォーム営業力ステップアップ計画~タカラ産業(岡山県津山市)日下 友輔さん

同じリフォーム営業でも、新人・中堅・ベテランと、営業歴によって「クリアしたい課題」は違うもの。

自分の強みを生かしながら、着実に課題を乗り越えることで営業力をアップさせたい。

今回はリフォーム営業歴8年目の日下 友輔さんのステップアップ術を紹介する。



《リフォーム営業歴8年目の中堅》
リフォームコンテスト浴室&サニタリー部門で全国最優秀賞を獲得
目標は1億円プレーヤー 

タカラ産業(岡山県津山市)リフォームリノベーション部 係長 日下 友輔さん(35)

高校・大学で商業について学ぶ。卒業後、衣料品や食品などを手掛ける大手小売店で3年間勤務。27歳の時にタカラ産業に入社した。2023年度の売上は9200万円。今年は1億円を目指す。

日商簿記3級・整理収納アドバイザー・ジェルコ住宅リフォーム総合技術者2級。プライベートでは3児の父親。



【過去 これまでの課題は?どう解決した?】
入社1年目の現場管理職人さんに気持ちよく働いてもらうには?

商業系の大学を卒業したので、タカラ産業に入社する時は「経理」か「事務」の仕事に就くと思っていました。しかし、面接で社長から「君は絶対、営業向きだ」と言われ、営業職に。当時は「建築」の知識がほとんどなく、現場調査の仕方も、見積もりの作り方も知りませんでした。また、弊社は営業職が現場も管理する一気通貫のスタイルなので、新人の私が職人さんに指示しなくてはいけないこともプレッシャーでした。

最初の2〜3カ月間は、先輩や上司と一緒に現場に同行してもらい、わからないことはその場で質問していました。

経験豊富な職人さんからも、たくさんのことを教えていただきました。本来、私が職人さんを指示する立場なのですが、「ここはどうする?」と職人さんに聞かれてもわからないことがしばしば。逆に「いつもはどう納めるんですか」と教えてもらっていました。「新人は分からなくて当然」と優しく教えてくれた職人さんたちに、育ててもらったと思っています。

中堅になった今でも、職人さんに「これをやってください」と上からモノを言うことはありません。修正をお願いする時は「最初はそうお願いしたと思うのですが、こういう風に直してもらえませんか」と伝えます。職人さん達に気持ちよく仕事してもらえるように指示するのも現場監督の技量の内。最初は苦労した営業の仕事ですが、今では自分に合っていたと感じています。


【現在 課題は?克服するためにしていることは?】
後輩社員の教育 一人ひとりをどう伸ばす?

2023年9月に係長に昇進。新入社員も増え、社員教育も担当するようになりました。社会人1年目の若手、中途採用の年上の方など、年齢も経験値も違う後輩の育成に試行錯誤しています。

私の新人時代は自分から質問をしていました。でも、「何がわからないのかもわからない状態」で質問するのに苦労したことも。後輩には同じ思いをしてほしくないので、聞かれなくても自分からドンドンアドバイスしています。

社会人1年目の若手には、まずはビジネスマナーからじっくり教えていきたいです。中途採用の年上の方は、建築の知識はお持ちですが、現場監督は未経験。なので、要点だけに絞ってアドバイスをするようにしています。様々な職人さんが出入りするリフォームの現場では、工程表はあるものの「この部分は、いつ、どの職人さんにやってもらうのがいいか」迷うこともあります。そうした差配のコツを伝えています。

一人ひとりのキャリアに合わせて、1つのことをクリアしたら、もう1つ上のレベルのことをアドバイスする。じっくりと段階を追って教えていきたいです。


【未来 これから身につけたいことは?取り組んでいることは?】
2級建築施工管理技士を取り、大型案件も増やしたい

今後は2級建築施工管理技士の資格を取りたいと考えています。すでにこの資格を持っている先輩社員がいるので、試験のポイントを聞いて、対策を立てています。

現在独学で勉強中で、子ども(2歳、6歳、10歳)が寝かしつけてから家で勉強しています。妻だけに子育ての負担をかけるわけにはいきませんからね。

将来的には、二級建築士の資格も取得できたらと考えています。弊社は水まわりのリフォームに強い会社ですが、最近はエクステリアなど外構工事の受注も増えています。

私の2023年度の年間売上は9200万円。目標は1億円です。この数字を達成できるよう、大型案件も受注していきたいです。



日下さんの強みは「雑談力」

雑談7割、商談3割で顧客の心を掴む

お客様宅にうかがった時はまず雑談から入り、心の距離を縮めるようにしています。写真が飾ってあったら「お孫さんの写真ですか?」、釣り道具があれば「釣りをされるんですか」と聞く。大体雑談7割、リフォームの話は3割の割合ですね。

以前、洗面化粧台の取り替えでお客様宅に行った際、隣の浴室が御影石を使った豪華な造りだったので思わず、「立派なお風呂ですね」とお話したところ、「でも、とても寒いのよ」という話になり、トントン拍子にお風呂のリフォームに発展。

しかも、この事例は、タカラスタンダードの「家事らくリフォーム作品コンテスト2023浴室&サニタリー部門」で、全国最優秀賞も受賞しました。雑談は本当に大事だと実感しました。

▲日下さんの愛用アイテム。

手帳、方眼紙、スケール、レーザー距離計、胸ポケットに入るサイズの指金。「このサイズの指金は、ちょっとした段差や敷居の高さを測るのに使いやすいんです」(日下さん)



《全国最優秀賞受賞》

▲AFTER

庭を見るため、窓の大きさと取付位置は、湯船に浸かった時にベストな高さになるように設定。

システムバスと断熱サッシで、冬でも暖かく、ゆっくりくつろげるようになった

▲AFTER

洗面化粧台は照明と鏡はそのまま使い、収納たっぷりの引き出しタイプに変更

▲BEFORE

中庭が見えるこだわりのお風呂。しかし、大きな窓で冬場は寒かった

リフォマガ2024年4月号掲載

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