リフォーム会社のリーダーたちは、管理業務以外に自身も営業に携わる、プレイングマネージャーが多い。1週間のスケジュールをもとに、どうやって有効的に時間を使い、成果をあげているのかに迫る。
▲ウスイホーム(神奈川県横須賀市)建設部営業部長兼上大岡店店長 地引啓悟さん
新卒入社26年目。元々は現場志望で、新築の現場監督業に14年従事。自分も初めからものづくりに関わりたいと、リフォーム部署へ異動し10年。現在は、年間1億6000万円売り上げるプレイングマネージャー。妻と、10歳の息子、7歳の娘の4人暮らし。
《地引さんのワークタイプ》
「部下の悩みはその日のうちに」
いつでも相談に乗るタイプ
経験の浅い部下の中には、目標未達で焦っていたり、顧客対応に萎縮してしまうメンバーもいる。マネージャーとして「いつでも何でも聞いて」のスタンスを取ることで、1人で抱えこませず、悩みを芽の状態で摘んでおける。
トラブルを大きくしないポイント①
相談事を後回しにしない
直行はするが直帰はしない。日中のうちにデスクに集まった、部下からの書類チェックや相談事を当日中に確認するためだ。内容によっては翌日の予定を変えて、部下のフォローにあたることも。後回しにするとクレームが発生したり、部下の離職につながったりする。
トラブルを大きくしないポイント②
小規模工事は午前中に訪問
大型案件であれば、工事期間が長いため、何かあったときリカバリーする時間がある。逆に、小工事ではスピードが求められる。現場をまわるときは、午前中に小工事、午後に大型、とおおまかに優先順位を決めている。
地引さんのマネジメント術
「レスポンスを必ずする」
自身もトップ営業として、忙しくしている地引さん。現場中心に動いているために、「声をかけにくい」と部下から言われてしまったこともある。
じっくり話すのは月1回の会議で
個別の相談や根本的な悩みなどは、月1回の個別面談で聞き出す。地引さんはリフォーム部の11名をフォロー。
プレイヤーとして売上フォロー
チーム全体で未達になると、達成できなかったメンバーが追い込まれてしまう。自分が引っ張るつもりで、足りない分は受注をとる。
問題はその日のうちに早め対処でクレーム未満
平日は現場、土日は商談メインで予定を組む。直行はあっても直帰しないのが地引さん流クレームの未然対策だ。
日中はメンバーも現場などでオフィスにいない。そのため、何かあると夕方に相談をうけることが多い。また、デスクにも書類や質問が集まっている。これらの対応を翌日にまわすと「時すでに遅し」とクレームに発展してしまう恐れがあるのだ。場合によっては、翌日の予定を変更してでも、部下のフォローにあたることもある。
自身もプレイヤーとしての比重が大きく、リフォーム年間売上約8億円のうち、1億6000万円が地引さんによるもの。忙しくても、オフィスに入れば自分から周囲に声をかけることで、何かあれば相談できる、と部下に示している。
昨年ごろから大型リフォームの引き合いが増えた。3年後までに、年間売上20億円が目標だ。しかし、売上増の一方、求められる知識が複雑化し、メンバーへの負担も増える。
「小工事で経験を積むのも重要です。大型リフォームでも初めから全部一人でできる必要はない。周囲に聞きながら、慣れていってもらえたらと思います」
地引さんの1週間のスケジュール
▲スケジュール管理は手帳派。書き込む内容はシンプルに、案件名だけにとどめている。
リフォマガ2024年7月号掲載
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