大規模修繕の相談、10倍に

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「見積もりチェックサービス」利用増

住宅リフォーム・紛争処理支援センター(東京都千代田区)に寄せられるマンション大規模修繕工事に関する相談が例年の10倍に急増している。


 増加のきっかけは、昨年1月に国土交通省が行ったマンション大規模修繕工事に関する注意喚起にて、同社が相談窓口に指定されたこと。
その後、設計コンサルタントと工事会社との癒着などが多くのメディアに取り上げられたことで、管理組合からの相談が急増。例年の約10倍にあたる100件ほどの相談が寄せられた。

さらに、そのうち半分が見積もりチェックサービスを受けている。

 同社が提供している見積もりチェックサービスは、見積もりに記されている各工事項目を「積算資料ポケット版マンション修繕編」などで公表されている費用の目安と照らし合わせ、大きな差異がないかを確認するというもの。

その際、管理組合が用意するべきものは建物の図面、劣化診断などの報告書、長期修繕計画書、見積もりだ。「大規模修繕は、ただでさえ複雑で一般の方には分かりにくいのに、内容を精査するために必要な書類が欠けているケースが多い。
そんな状態ではプロでも判断を下すのは難しい」(鈴木宏治課長)

 また、あくまで一般的な相場との隔たりをチェックするものであり、見積もり内容が適正かどうかの判断は行わない。これは工事が物件の状態に応じて個別に計画、実行されるものであり、工事金額が高いからといって一概に悪いとは決められないため。大きな差異がある場合は、見積もりを作成した業者に管理組合がその理由を確認していくことで、両者が納得のいく工事を実現していく。

 「業者の善し悪しの判断を直接下すことはできませんが、適正な工事が行われるようにサポートすることで、結果的に業者間のバックマージンやり取りなどの不適切な行為を無くしていけるはず。急増する問い合わせに対応するために、体制を整備することも検討しています」(鈴木課長)

ここがポイント

・見積もりチェックサービスを半分は受けている…例年の約10倍にあたる100件ほどの相談が寄せられ、そのうち半分が見積もりチェックサービスを受けている。

・見積もりチェックサービスとは…見積もりに記載されている各工事項目を「積算資料ポケット版マンション修繕編」などで公表されている費用の目安と照らし合わせ、大きな差異がないかを確認するというもの。


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