木の質感に近く メンテナンスも楽な人工木
ウッドデッキは大きく分けて天然木と人工木の2タイプがある。
昨今の住宅用ウッドデッキのほとんどは人工木製。人工木とは、ポリエチレンなどの樹脂に木粉を混ぜて成型した建材で、樹脂木や合成木材などとも呼ばれる。
人工木は湿気をほとんど吸収しないため、反りやヒビ、ササクレなどが発生しにくく、腐りにくい。色落ちも少ない。
シロアリなどの害虫の心配もほとんどないため、薬剤を塗布する必要がなく、子どもやペットがいる家庭でも安心して使える。
塗装も不要。汚れたときは水で流したり、デッキブラシや高圧洗浄機などの使用も可能だ。天然木より価格も安く、周辺部材も充実している。
最近では、リアルな木目を再現し、より天然木の質感に近づけた商品や、リサイクル素材を用いて環境に配慮したものもある。
人工木のデメリットとしては、熱を吸収しやすい点がある。夏場は素足では歩けないほどデッキの表面が熱くなることも。表面温度が極端に上昇しない加工が施された商品を選んだり、オーニングなどで日差しを遮る工夫が必要だ。
また、人工木は水を吸わないため、雨の日はデッキに水が残り、滑りやすくなる。最近では、表面に細かな溝を設けるなどして滑りにくくした商品も登場している。
天然木のような自然な風合いの人工木ウッドデッキ
写真提供/LIXIL(樹ら楽ステージ木彫)
【知っ得豆知識】 ウッドデッキ市場は人工木が9割
平成28年度のウッドデッキの総市場は230億円。このうち人工木ウッドデッキは206億円で、前年度比26.6%増と大きな伸びを見せている。一方の天然木の売上は24億円で、前年度比2.6%にとどまった。
全体に占める人工木の割合は約90%、天然木は10%となっている。
【人工木ウッドデッキのポイント】
◆反りやヒビ、ササクレが発生しにくい
◆腐りにくい
◆シロアリに強い
◆塗装が不要
◆手入れもしやすい
◆天然木の質感を追求したタイプや環境に配慮したタイプも
◆夏は表面温度が熱くなる
◆雨が降ると滑りやすくなる
【多彩なラインアップの人工木ウッドデッキ】
「 手軽さシンプルさを追求 」
LIXIL レストステージ
有機溶剤やホルムアルデヒドを含む素材は不使用。ベランダ仕様は高さ・角度調節の幅が広く、戸建て、マンション、新築からリフォームまで、幅広い現場に対応。
「 機能性とデザイン性を両立 」
LIXIL 樹ら楽ステージ
夏季でも表面温度の極端な上昇を抑える(同社従来品より最大約10℃抑制)。有機溶剤やホルムアルデヒドを含む素材は不使用。滑りにくさに配慮。周辺プランも豊富。
「 天然木の風合いを再現 」
LIXIL 樹ら楽ステージ 木彫
表面に不連続な溝をつけ、木の自然な色ムラや陰影を再現。木粉を多く配合しているため、初期には天然木のような色調の変化があるが、時間の経過とともにその変化度合は緩やかになる。
「 大理石調でモダンな住宅にマッチ 」
三協アルミ ラステラ
大理石を模した柄と幅広の床板(274㎜)により、モダンでシックなガーデン空間を演出できる。色はグレー、ブラック、ホワイト、テラコッタ(南欧の素焼き風)の4色。
「 美しい木目と充実の機能 」
三協アルミ ひとと木2
「床板」と「木目床板」の2タイプ。木目床板タイプは、表面に木目風の加工(柾目柄)を
施し、リアルな木質感を再現。滑りにくさに配慮。フェンス、門扉のバリエーションも充実。昇温抑制仕様あり。
「 傷がつきにくく丈夫 」
YKK AP リウッドデッキ200
ポリエチレンより硬いポリプロピレンを使用し、傷がつきにくい。健康に配慮したノンホルムアルデヒド商品。節がなく、幅広の高級木材のようなデザイン。
【プロの視点】 困ったときはこれ!敷地に合わせて選べる部材
人工木ウッドデッキには様々な周辺アイテムが用意されている。庭に排水マスやメーター類の点検口、植栽などがある場合や隣家の視線が気になる場合でも、部材アイテムを活用することで、敷地に合わせたプランが可能だ。
樹木などをデッキ中に配置できる
床下に点検口がある場合は取り外し式が便利
床下を収納スペースに有効活用できる
隣家の2 階からの視線も遮れる
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