クリーンで安全な暖房方法
床から広がる熱で部屋全体を暖める床暖房。空気の汚れや火災の危険性も少なく、安全に使用できるので、導入する家庭が増えている。
「温水式」「電気ヒーター式」が選べる
リフォームでの後付けも可能
床暖房には、床下にガスや電気、太陽熱で温めた温水を通す「温水式」と床下に電動パネルのヒーターを敷く「電気ヒーター式」がある。エアコンやヒーターと違い、風を起こさないため、ホコリが舞いにくく、空気も乾燥しない。火も使わないので、高齢者や小さな子ども、ペットがいても安心して使える。給油やフィルターの掃除などの手間もない。
いずれのタイプも設置には工事が必要で、初期費用がかかる。配管やスペースの関係で、マンションでは設置できない場合もある。しかし、初期費用はかかっても、ほかの暖房機器と比べてランニングコストは安めだ。
床暖房は「対流」「伝導」「ふく射熱」で部屋全体を暖める。床面積の6〜7割に床暖房を設置すれば、ほかの暖房機器はいらないと言われているほど、暖房効果が期待できる。ただし、部屋が暖まるまで約30分〜1時間と、比較的時間がかかる。
また、床暖房パネルには仕上げ材が一体型と分離型の2種類がある。仕上げ材分離型を選ぶ際は、床暖房に適さないフローリング材もあるので注意が必要だ。
床暖房のポイント
- 温水式と電気ヒーター式がある
- 仕上げ材一体型と仕上げ材分離型がある
- 火を使わず安全
- 設置工事等の初期費用がかかる
- ほかの暖房機器よりランニングコストが安い
- 掃除や出し入れの手間がない
床暖房パネルの種類
- 仕上げ材一体型
熱源を内蔵したパネルと仕上げ材が一体化している
- 仕上げ材分離型
熱源を内蔵したパネルと仕上げ材が分離している
【知っておこう!】床暖房の種類と比較
温水式と電気ヒーター式のそれぞれの特長をおさえておこう。
温度が高くなると電気抵抗が増し、発熱が抑えられる特性をもつ。省エネ効果が期待できる。
【豆知識】「対流」「伝導」「ふく射」で部屋全体を暖める
床暖房は、暖かい空気が部屋に均一に混ざる「対流」、床からじかに伝わる「伝導」、赤外線の熱が壁や天井に反射しながら広がる「ふく射」の3つの熱が組み合わさって部屋を暖める。
画像提供/リンナイ
いろいろな床暖房
《温水式》
フリーほっと温水W(パナソニック)
- 仕上げ材分離型
- ヒートポンプ式、エコキュートなどの熱源に対応
- 温水パネルは15サイズ6タイプで細かな割り付けが可能
- 木質床材、畳、カーペットなど仕上げ材が豊富
▲90種のパネルを組み合わせてさまざまなプランに対応可能
はるびよりHB(大建工業)
- 仕上げ材一体型
- ガス、灯油、ヒートポンプ式などの熱源に対応
- 効率的な施工手順で工期短縮
- 大建工業の建具やドアとコーディネート可能
▲ヒーターパネルユニットを反転させてはめ合わせていくので施工がスムーズ
《電気ヒーター式》
You ほっと 100V タイプ/200V タイプ(パナソニック)
- 仕上げ材一体型
- PTCヒーターを採用
- 床材は3商品25色柄から選べる
- スマホと連動可能
▲専用のアプリを使って外出先からスマホでオン・オフ操作できる
HOTひといき(LIXIL)
- 仕上げ材分離型
- PTC面状発熱体を採用
- 床暖房パネルは重い家具もしっかり支える12mmの小根太入り
▲パネル全体が発熱するので床がムラなく温まる
リフォマガ2024年2月号掲載
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