動作をサポートして狭くても安全に
トイレの立ち座りや移動を補助する手すり。使う人の身体状況に合わせて、必要な場所に使いやすい手すりを設置しよう。
身体への負担を減らし安全性もアップ
トイレでは身体の向きを変えたり、座ったり、立ち上がったりとさまざまな動きをする。手すりを設置する際は、どのような動作に不安や不便を感じているか明確にしよう。
たとえば、立ち座りの際は、しっかり握れて上下の動きをサポートするやや細めの手すりを設置するとよい。握力が弱くて手すりを握れない場合は、棚手すりもある。トイレ内の移動や、座っている姿勢の保持には、横手すりを設置する。アームレストや背もたれがあれば、リラックスした姿勢が保てる。座位の前かがみの姿勢がつらい場合は、前方ボードを設置し、上半身を支えるとよい。前傾姿勢が安定すれば腹圧がかけやすく、排泄もしやすくなる。
また、トイレットペーパーのカットや便器の洗浄、手を洗う際には、上半身をひねる動作が必要となるが、身体状況によってはこの動作がつらい場合もある。自動洗浄機能が搭載されたトイレを使ったり、紙巻器や手洗い器を使いやすい位置に設置すれば、身体への負担が軽減される。
安心・安全にトイレを使用するためにも、手すりの位置は、使う人の身長や身体状況に合わせてシミュレーションし、事前に確認しておきたい。
トイレの手すりのポイント
- 補助したい動作を明確に
- 身長や身体状況に応じて選ぶ
- 利用者の使いやすい位置を確認
- アームレストや背もたれで姿勢を保持
【知っておこう!】手すりの取り付け位置
手すりの設置位置は、求められる役割に合わせて変える必要がある。利用者の身長や身体状況に応じて、適切な位置を検討しよう。
《出入り》
バランスを崩しやすいので、身体をしっかり支える縦手すりを設置。
《移動》
横手すりでトイレ内を楽に安全に移動できる。
《立ち座り・座位の保持》
L型手すりや棚手すりで、立ち座りをサポートし、座位の姿勢を安定させる。
※寸法は標準的な数値です
便座から前方の壁が近い場合
便器の正面に横手すりを設置すると立ち座りが楽に。
画像提供/ TOTO
トイレの手すりいろいろ
《I型・L型》立ち座り/移動/座位の保持をサポート
滑りにくく握りやすい
握り部の裏面は滑りにくくするため凹凸形状に。
▲インテリア・バー(TOTO)
インテリア性も重視
木製やステンレス製のシンプルなフォルムが特長。
▲手すりKS・KM タイプ(LIXIL)
コンパクトで省スペース
手すり設置が難しい場所でも立ち座りをサポート。
▲ハンドグリップ(TOTO)
折りたたんで広く使える
狭いトイレを広く使える便利な折りたたみタイプ。
▲折りたたみ手すり じゃません!とって(田邊金属工業所)
握らない棚手すり
立ち上がり時の手がかりにしたり、ひじをついて使用。
▲木製手すり 棚別体タイプ〔収納付〕(TOTO)
波形でしっかりサポート
垂直部と水平部で身体をしっかり引きつけて支える。
▲クネット天童(クネット)
後付けも簡単
間柱に施工プレートを取り付けるので壁補強が不要。
▲後付棚手すり(LIXIL)
《アームレスト》立ち座り/座位の保持をサポート
楽な姿勢でリラックス
介助や掃除の際は、妨げないようはね上げておける。
▲アームレスト(TOTO)
後付け可能な床固定式
トイレの使用時間が長くても楽な姿勢をキープ。
▲肘掛け手すり〔床付式・背もたれ付〕(LIXIL)
《前方ボード》前傾姿勢/安定した姿勢での排泄をサポート
上半身をしっかり支える
座位が安定し、排泄時の腹圧がかけやすくなる。
▲前方ボード(LIXIL)
大きな面で身体を支える
もたれることで車椅子からの移乗、衣服着脱もスムーズに。
▲前傾姿勢支持テーブル型 手すりFUN レストテーブルα(パナソニック)
リフォマガ2023年11月号掲載
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