【THE SHOKUNIN】見えないところも、一つ一つの作業を丁寧に

【配管工事職人】高藤佑耶さん(26歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは、配管工事の職人の高藤佑耶さん。

配管の中の見えないところまできれいに仕上げる、こだわりの職人だ。若きリーダーとして、活躍を期待されている高藤さんの仕事ぶりを紹介する。



アプリや人員配置を工夫
施工の質を均一に

給排水衛生設備の工事などを行なう菅原設備(愛知県津島市)。26歳の高藤佑耶さんは戸建事業部の課長。現場に立ちながら、新人の教育や工程管理を担当している。

高藤さんが現場で大切にしていることは、3つ。「質・スピード・サービス」だ。

戸建事業部に所属する職人の技術力には、ばらつきがある。どの現場でも施工の仕上げを均一にするため、作業マニュアルのアプリを使って、作業手順を統一。どの職人が施工しても同レベルになるよう、人員の割り振りにも高藤さんは気を配っている。

「新人からわからないことを電話で聞かれると、お互いその都度手が止まってしまいます。それでは時間がもったいない。マニュアルを本格的に使い始めた半年前と比べて、時間のロスや、質のバラツキも減ったと思います」と高藤さんは話す。



高い施工品質と作業スピードを両立

質をキープしながら、スピードも意識している高藤さん。何度も自動車に道具を取りに行かなくていいように、道具は作業前にまとめて近くに置いておく。さらにテキパキと動くようにして、質とスピードを両立させている。

高藤さんは見えないところも手は抜かない。例えば、配管の内側。接合に使う接着剤が残らないように毎回きれいに拭き取っている。施工してしまえば、見えなくなる場所だが、「きれいに仕上げると気持ちがいいですし、万が一拭き残しがあると、汚物が引っかかり、後々詰まりの原因になります」と高藤さんは話す。

キッチンのシンク下など配管が露出する場所では、配管の外側に拭き残しがあると、見た目が悪い。

「見えるところも見えないところも、一つ一つの作業を丁寧に、見栄えが良くなるようにしています」



顧客の困りごと
簡単な修理なら、その場でパパッ

高藤さんは工事箇所以外でも、気になる部分があれば、サービスで補修している。「お客様からはよく『水道の水の出が悪くて困っている』といった相談を受けます。簡単に直せるものは、その場で直します」。ずっと悩んでいたことが解決すると、顧客に好評の心配りだ。

高藤さんには印象に残っている工事がある。戸建てに漏水修理に行った時のこと。床下の漏水は直したものの、まだどこかから水が漏れていた。「キッチンや風呂場など、一ヵ所ずつ水の流れを止めて確認しました。風呂場の下だと突き止めましたが、古い家でお風呂はタイル張り。床下に潜れないので、壁に穴を開けて修理をしました。大掛かりな工事になりましたが、お客様はほっとした様子で、とても喜んでくれました」

設計事務所の工事も難工事だった。元々は喫茶店だったテナントで、水まわりの配管が複雑。加えて造作家具が入るとあって、家具業者・現場監督・施主と相談しながら、工事を進める必要があった。

「配管の位置がずれてしまうと、家具がうまく設置できなくなる可能性がありました。この時は本当に連携が大事だと感じました。お施主様からは『きれいに仕上げてくれて、嬉しい』というお礼の言葉をいただきました。お客様が喜んでくれるのが一番嬉しいですね」と高藤さんは話している。

▲室内や野外など、様々な場所で作業をする高藤さん。写真右上はコンクリートをカットしているところ


推薦の言葉

菅原設備 戸建事業部 部長

私たちの仕事は毎回現場が違い、マニュアル通りにはいかないケースも多々あります。アドリブ力が要求されるのですが、高藤さんにはそのセンスがありますね。

頭角が現れてきたと感じたのは、課長という工程管理をするポジションに高藤さんが就いてから。ここから非常に伸びました。

私は上司としてアドバイスはしましたが、どう工事を進めるかは、高藤さんに任せました。最初はどうなるかと思いましたが、十数人をまとめ仕事の段取りをうまく回してくれたのです。工程管理者は現場監督とやりとりをしなくてはいけません。入社当時の彼は人見知りのように見えましたが、この頃から人と話す姿も堂々として、落ち着いてきました。人間的な成長が感じられ、「これは覚醒したな」と感心しました。

今後、支店展開する際には支店長として、高藤さんカラーの支店を作ってもらえたらと期待しています。支店長という立場になることで、さらに違う世界を見てほしいと思っています。



高藤さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」

些細なことでも情報共有をしてもらえると助かります。現場に行ってから、配管の位置が予定と違っていて、新しい器具が接続できないこともあるからです。私たちが現場調査に行けず、様子がわからない時は多めに材料を持って行き、臨機応変に対応できるよう準備をしていますが、情報をもらえると嬉しいです。

工事内容が変わる時は、現場監督をはじめ営業さんにも連絡をします。どこかで情報が止まっていると、トラブルの原因になってしまいます。営業さんとの連携や情報共有はとても大事だと思っています。



リフォマガ2023年3月号掲載

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『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

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