手軽にいつでも安心・安全な水を
毎日、飲用や料理に使用する水はできるだけ不純物の少ない安全な水にこだわりたい。浄水器の機能を知り、適切な提案を心がけよう。
性能とランニングコスト、
使用方法をしっかりチェックしよう
安全性が高い水道水だが、カルキ臭や残留塩素などは気になるもの。家庭用浄水器の普及率は約50%※に達し、安心・安全な水にこだわる家庭はますます増えてきた。
一般的なペットボトル飲料水が約50円/Lに対し、浄水カートリッジは約2〜3.5円/Lとコストパフォーマンスにも優れている。また、浄水器なら、ペットボトルのようにゴミもでないし、買い置きの保管場所に悩む必要もない。ウォーターサーバーと比べても場所をとらず、キッチンが広く使えるというメリットも。
カートリッジの浄水フィルターは、活性炭、逆浸透膜、精密ろ過膜、中空糸膜などの「ろ材」の層で作られていて、ろ材によって除去能力が異なる。どのようなろ材を使っているか、どれだけの物質を除去できるのか、JIS規格による品質表示をチェックしよう。
また、浄水のために一番大切なのは必要に応じたカートリッジの交換だ。交換を怠ると浄水性能が落ちるだけではなく、衛生面での悪影響が出る場合がある。浄水器を導入する際は、しっかりと交換の目安を確認し、施主に伝えよう。
(※浄水器協会・浄水器普及率調査より)
浄水器のポイント
- 水栓からいつでもきれいな水を使える
- ろ材で除去能力が異なる
- 暮らし方やスペースに合わせたタイプを選ぶ
- 設置タイプ、カートリッジのタイプでコストに差がある
- 正しいカートリッジ交換スパンを確認する
【知っておこう!】最も大切なのは、適切なカートリッジ交換
浄水器の性能を保つためには、定期的なカートリッジ交換が不可欠だ。各機種でカートリッジ交換のスパンが異なるので、よく確認し、施主に伝えよう。浄水器本体に交換時期を表示できるものなら、うっかり交換忘れを防ぐ手助けにもなる。
メーカーによる「カートリッジの定期宅配」サービスもあるので、心配な顧客には勧めよう。
ナビッシュ(LIXIL)
交換目安時期のおよそ2週間前になると「交換」が表示されて点滅。交換目安時期が過ぎると「交換」表示が点灯。
【豆知識】性能表示一覧の見方のポイント
タイプ別の浄水器比較
《水栓一体型》水栓にカートリッジを内蔵
蛇口一体型浄水器クリーン(タカギ)
水栓を交換するだけで浄水が使えて、場所もとらない。
水栓のデザイン
カートリッジがスリムになり、デザインを重視したタイプも増えている。
▲蛇口一体型浄水器 LC(タカギ)
設置スペース
- 最も省スペース。水栓内蔵のため設置場所は不要。
フィルター性能と寿命
- 4~16種類の物質を除去。
- 約3~6カ月に1回の交換。
カートリッジの価格/年間コストの目安
- 4,000~6,000円くらい
- 約9,000~18,000円/年
本体価格
- 40,000~100,000円
《アンダーシンク型》シンク下にカートリッジを設置
ナビッシュ(LIXIL)
シンクまわりがすっきりする。
水栓のデザイン
- デザイン性が高いものが多く、スタイリッシュ。
- タッチレス操作できるタイプもある。
- 浄水器とは別に浄水専用の水栓を取り付けることもできる。
設置スペース
- シンク下にホース及びカートリッジ設置のためのスペースが必要。カートリッジは電源のいらない電池式もある。
フィルター性能と寿命
- 12~17種類の物質を除去。鉄やアルミニウムなどプラスαの物質を除去する能力のあるものも。
- 約1年に1回の交換。
カートリッジの価格/年間コストの目安
- 15,000~20,000円くらい
- 約15,000~20,000円/年
本体価格
- 50,000~200,000円くらい
《据え置き型》カートリッジが大型で高性能
スーパー・アクアセンチュリー(ゼンケン)
ろ過水量が多く、カートリッジ交換のスパンも長い。
デザイン
- 既存の水栓につないで、そのまま使えるタイプもある。
- コンパクトでキッチンになじむデザインも増えている。
- 液晶表示付きで、使い方やカートリッジ交換時期を知らせてくれるものもある。
設置スペース
- シンク上に本体を設置するためのスペースが必要。
フィルター性能と寿命
- 12~17種類の物質を除去。鉄やアルミニウムなど+αの物質を除去する能力のあるものも。
- 約半年~2年に1回の交換。
カートリッジの価格/年間コストの目安
- 10,000~30,000円くらい
- 約10,000~30,000円/年
本体価格
30,000~100,000円くらい
リフォマガ2023年7月号掲載
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