女性の「買いたい」を引き出す魔法の営業トークChapter6

毎週月曜7時更新!!全12回の連載記事!!

Shuka Berry 長谷部あゆ氏
『女性の買いたいを引き出す
魔法の営業トーク』


第6回 質問してとことん話してもらう


購入の決定権を握り、口コミが得意、リピーターになりやすい…という特性がありながら、マニュアルトークが響かないという手強い存在でもある「女性」。今回より女性客の本音を引き出す質問テクニックを2回に分けて紹介。


女性客の本音をつかむためには
  「質問」と「傾聴」が大事です


女性は会話のゴールより、プロセスを大事にします。だから、女性は営業や販売の場面でも、必要だと思う話、関係ある話をすべて話そうとするのです。一方、男性はゴールへと一直線。無駄な話をせずに必要な話だけをします。女性客の心を理解できていない男性は、知らず知らずのうちに女性客をがっかりさせているのです。

つまり、セールストークに入るまでの、「場づくり」である雑談こそが女性客への営業においてはとても大事なのです。雑談をそこそこにしてすぐ本題に入ると、「この営業マン、売ろうとしてる」「ガツガツしてる」と警戒されることになるでしょう。「場づくり」の準備ができたら、いよいよセールスの本題へと入っていきます。ポイントは「質問」と「傾聴」です。今回はその具体的な質問の方法をご紹介します。ぜひ実際の営業シーンで実践してくださいね。




『本音引き出しトーク』とことん話してもらえる質問テク①


「今、何か困っていることはありますか?」

▶欲しい理由や経緯がわかり、本音がつかめる

女性客に対して「どのような商品をお探しですか?」、「ご予算はおいくらですか?」、「時期はいつ頃をお考えですか?」といきなり質問攻めにするのはNGです。これらの質問は直球すぎて、女性客からすると、デリカシーに欠けるのです。女性客の買い物の特徴として、商品や予算や時期は、はっきりと決まっていない場合が多いのです。専門家にいろいろ聞いてもらって、アドバイスをもらって、どうするかを考えたいのが女性客なのです。

女性客には「欲しい理由や経緯」を話してもらえる質問をしましょう。人が買い物をしたい時には、何らかの「理由」「きっかけ」があります。それらを聞くことで、女性客は過去の状況にまでさかのぼってどんどん話してくれます。話を奪って主導権を握らないように注意して話を盛り上げてください。「なんでも安心して話せるわ」と思っていただくために、とにかく聞くことです。


②「どんな感じがお好きですか?」

▶女性客にはイメージを伝えたほうがいい

美容室で「何センチ、カットしますか?」という質問を多く聞きます。男性客なら「前は1センチ、サイドは2センチカットでお願いします」と答える方もいるでしょう。でも女性客は、数字で考える発想がそもそもなかったり、そこまでのこだわりがないので、その質問ではイメージがぜんぜんつかめないのです。

例えば、「かわいい系、きれい系、清楚系、ナチュラル系の4種類ありますが、どんな感じがお好きですか?」と聞かれた方が女性客には断然わかりやすく、答えやすいのです。さらに、写真やイラストで完成後の雰囲気を見せながら質問するのがおすすめです。

女性客は見た目や感覚で決める傾向があるのですから、営業マンは女性客にイメージを伝えることを心がけましょう。


③「買おう!と思った『きっかけ』はなんですか?」

▶価値観や重要ポイントがわかる

この質問は営業の場面において女性客への質問の中でも「最強」だと思っています。なぜなら女性客に夢を与え、過去から未来へと気持ちがつながり、それを女性客自身が確認して納得して、一気に「欲しい」につながる質問だからです。

「買いたいと思ったきっかけ」ではなく「買おう! と思ったきっかけ」と断定していることもポイントです。この少しの違いで、女性客の気持ちが「欲しい」に傾きます。

女性の買い物にはどんな時も物語があります。もちろん自分が主役です。その商品やサービスがただ欲しいわけではないのです。きっかけを話していただくことで、その女性客の買い物における価値観や重要としているポイントがつかめます。これからどう話を進めればいいのか大きなヒントになります。


④「それを買ったら○○さんはどう変わるんですか?」

▶「未来質問」で女性客がワクワクする!

女性客にとっての買い物は、「その商品がどうすごいのか」はどうでもいいのです。興味があるのは、「自分がその商品を手に入れたら、使ったら、体験したら、どう変われるのか」この一点です。そこには女性客の「夢」や「希望」や「果てしない妄想」が詰まっているのです。営業マンはその期待に応えてください! そのためには、やはり話をとことん聞くことが重要なのです。

女性客への質問のポイントは「未来質問」です。女性客の目を見て真剣な眼差しで「それを買ったら○○さんはどう変わるんですか?」と言いましょう。名前を呼ぶのもポイントです。「どう変わるのか?そう、私は変わりたいんだ、変われるかもしれない!」とワクワクさせてあげてください。女性客は買い物のプロセスで、未来の自分を想像することが幸せなのです。


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「共感される人材」育成講師

Shuka Berry 長谷部 あゆ氏

株式会社ShukaBerry代表取締役。大阪府生まれ。大手化粧品の店頭販売、住宅リフォームの営業、法人向け広告営業で、売上日本一をはじめ輝かしい実績多数。2009年に起業し、営業、接客、販売促進、ブランディングの専門家として、全国各地で開催する講演や研修で人材育成を行う他、経営者や起業予定者を対象に、講師育成、ビジネス書著者育成をしている。ビジネスコンセプトは「売り手も買い手もハッピー♪」2級建築士、インテリアコーディネーターの資格を持つ。


第1回 女性客にこだわれば売れる!

第2回 営業が頻繁に使っている落とし穴

第3回 何事も最初が肝心



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