掃除も調理も楽になる
フラットな天板は見た目すっきり、掃除は楽々。炎がなく、火災の心配がないのもメリットだ。大火力IHなら、湯沸かしも素早く、炒め物もおいしく仕上がる。
炎がないので安心安全手入れが楽で、使いやすさも向上
IHクッキングヒーター(以下IH)は天板がフラットで掃除がしやすい点が人気だ。
炎が出ないため、引火による火傷や火災の危険がない。ガスコンロに比べ安全性が高いと言える。高齢者や乳幼児がいて、安全面に不安を感じる家庭に導入を勧めやすい。炎の燃焼がないため、空気を汚さず、調理中の室温上昇も少ない。
以前のIHは火力が不十分という欠点が目立ったが、今は、高火力のものが増え、3.2kwの大火力IHもある。
IHは、火力の調整がしやすく、調理中に、適温をキープできる。最新の製品は高性能で、使いやすさが向上し、便利な機能も充実している。アシスト機能があれば、表示や音声で調理のタイミングをサポートしてくれるなど、初めてでも使いやすい。
ただし、IHは使える鍋が限られ、土鍋などは使えない。オールメタルタイプを選べば、金属製の鍋はほとんど使えるが、本体価格は高くなる。予算や手持ちの鍋との兼ね合いでどちらのタイプを選ぶかを検討しよう。
IHクッキングヒーターのポイント
○ 天板がフラットで掃除が楽
○ 炎がなく引火の心配がない
○ 部屋の空気を汚さない
○ 周囲に熱を伝えない
× 使えない鍋がある
× 火力が弱い機種がある
【知っておこう!】
使える鍋が広がるオールメタル対応
材質や鍋底の形状によって、IHでは使える鍋と使えない鍋がある。鍋底の適正サイズが限られる点も注意が必要。オールメタル対応を選べば使える鍋は増える。製品によって使える鍋に違いがあるため、導入前に比較検討を!
ヒーターの口数、種類を選ぼう
ヒーター数は3口が主流で、ヒーターの口の組み合わせ方がいろいろある。オールメタル対応、大火力のものほど、本体価格は高い。また、2口タイプは3口に比べ本体価格を安く抑えられる。2口を斜めに配置した45㎝幅のタイプなら、コンパクトなキッチンにも対応できる。パナソニックのシステムキッチンには、マルチワイドIHという3口を横並びにしたものがある。
【豆知識】ガスコンロに比べて夏の調理が快適に
ガス火での調理は室温を上昇させる。一方、IH調理なら、炎による熱気がないため、室内が暑くならず、冷房の効きもよくなる。
IHは、火が立ち消えることもないので扇風機をかけたり、窓から風を入れたりしても大丈夫。夏の調理が暑くてつらい、という人に喜ばれる。
▲IHは鍋だけが発熱し、まわりに発散する熱はほとんどない
資料提供/パナソニック
最新IHクッキングヒーターの機能
《わかりやすく使いやすい》
ワンタッチで火力を調整できる
ガスコンロに慣れていると、IHの使い勝手に不安を感じることもある。そのためメーカーや製品によって様々な工夫がされている。
▲火力を選んでスタートボタンを押すだけ。火力の変更もワンタッチ
ワンタッチ火力ボタン(日立)
ダイヤル式で感覚的に操作できる
ダイヤルを回して火力を調整。火力の強さに応じて、手元の目盛と鍋底部分が光る
▲光るリング 光る火力メーター(パナソニック)
《火加減をコントロールしやすい》
10段階で火力を調節
とろ火から強火まで火力を段階的に設定でき、微妙な火加減をコントロールしやすい。とろ火でも立ち消えの心配がなく、料理の保温もできる。
▲10段階調節(パナソニック)
火加減を自動調整するメニュー
火力を制御し、ふきこぼれたり、焦げたりなどの失敗がなくなる。炊飯メニューなら火加減の調整不要。
▲IH便利メニュー(日立)
《設定温度をキープできる》
メニューに最適な温度を設定
料理に適した設定温度をキープする。火加減を気にせず調理ができる。揚げ物も油の温度も一定に保つのでおいしく仕上がる。
▲Web掲載のメニューなどから目安の温度を設定すれば、火加減はIHにおまかせ
適温調理(日立)
センサーの働きで温度を保つ
鍋底温度を検知し、食材を入れて温度が下がるとすぐに温度を上げる
▲光火力センサー(パナソニック)
《アシストメニューが充実》
メニューを選ぶと、火加減を調整し、裏返すタイミングなどを表示や音声で知らせる。料理がより簡単に便利になる機能を搭載している。
10の表示メニュー
10種の表示メニューから料理を選択。応用メニューで30種類までレシピが広がる。
焼き物アシスト(パナソニック)
スマホと連動
スマホアプリで調理の設定ができる。アプリで献立を選び、IHに転送。火加減や加熱時間などを設定できる。
日立IHクッキングヒーターアプリ(日立)
【ひとことMEMO】ガスからIHへの交換ではアンペア数の確認も
ガスコンロからIHへ交換する場合、200Vの専用電源設置とガス閉栓の工事をする。
消費電力が増えるため、契約アンペア数の見直しが必要なことも。アンペア数の見直しで電気料金の基本料が変わるなら、事前に施主に知らせたい。電力会社による料金設定の違いがあれば、施主に料金プランなどを提示できるとベストだ。
リフォマガ2022年12月号掲載
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