今月の輝く!リフォームセールス~店全体で年間2億円売上お客様のために「即行動」がカギ

今回登場するのは、バイタリティあふれる行動力の持ち主・毛利一さん。地域に愛されるリフォーム営業マンとして、活躍している。


▲フォーシンク(島根県出雲市) 出雲店店長 毛利一さん(45)

広島県出身。学生時代は空手部の主将として全国大会に出場。建築会社でゼネコンの現場管理を経験した後、職人に憧れ、29歳の時に外壁塗装会社に転職。技術を身に付けた後、営業職になる。40歳の時に、妻の出身地・出雲市に移住。フォーシンクに入社する。一級塗装技能士、外装劣化診断士など取得資格は多数。趣味は娘のバレーボール、息子の水泳を一緒に楽しむこと。


▲フォーシンクの営業用の自動車には、それぞれ営業担当の似顔絵が付いている。また、工事中のシートにも営業担当の顔がプリントされている。「娘の友達から『フォーシンク号に乗りたい』と言われることもあります(笑)」



喋るのが苦手でも実直な説明で好感度アップ

外壁と屋根を得意とする総合リフォーム店として出雲店・松江店の2店舗を運営しているフォーシンク。出雲店の店長である毛利一さんは広島県呉市の出身。同社に入社する前は、空手で全国大会まで進んだ腕を見込まれ、広島県内の建築会社で現場管理の仕事をしながら、子どもたちに空手を教えていた時期もあった。

その後、一緒に仕事をする職人の姿を見て憧れを持ち、自身も塗装職人に。数年後、営業職に配属されるが「喋ることが本当に苦手でした」と毛利さん。

商談時、工事内容に関する質問にはハキハキ受け答えができるものの、世間話になると「今日は暑いですね」「はい…」と会話が途絶えてしまう。しかし、工事内容に対して、正直に意見を言う毛利さんは顧客から信頼されていた。



飛び込み営業では「こんにちは」に工夫

前の会社では飛び込みの営業もしていた毛利さん。ドアホンのピンポ〜ンという音からの「こんにちは」の言い方も様々なパターンを試していた。ある時は小さい声で「こんにちは」と言ったり、短く「こんにちはっ」、語尾を伸ばして「こんにちは〜」など工夫を重ねた。

「僕の中で一番手応えを感じられたのは『宅配便で〜す』と同じトーンで、「こんにちは〜」と語尾を上げること。まるで用事があって伺いましたという雰囲気が出るので、家の方が出てきてくれました」

当時の社長は、奮闘する毛利さんを見て、契約が取れない時も笑顔で見守ってくれていたという。

「いつも笑顔でどんとした態度でいてくれました。だから、営業を頑張れたと思います」

▲毛利さんが手がけ、屋根にカバー工法を施した案件。雨漏りがあり、屋根の塗装ではなく、カバー工法を提案した

▲出雲店近くのリサイクルショップの外壁塗装の案件。顧客と相談しながら、色やデザインを決め、スッキリと垢抜けた印象に生まれ変わった



丁寧なヒアリングで顧客の相談役になる

毛利さんが営業として大切にしていることは3つある。「ヒアリング」と「行動」と「提案(伝える)」だ。

ヒアリングでは「お客様が何を望んでいるか、困っていることや気になっていることは何かを、まずしっかりと聞きます」と毛利さん。話を聞いていくうちに、外壁塗装だけだったのが、トイレの交換や屋根の工事まで頼まれることもある。

「お客様からよく言われるのが『どこの会社に頼んでいいかわからなかった』ということ。業者さん探しに困っているお客様は多いです。当社は外壁だけでなく、リフォーム全般ができることをお伝えすることで、何かあったらフォーシンクに相談できると思ってもらえるようにしています」



たった2分間の作業で相見積もりを突破

毛利さんの「行動」は速い。そして、それがうまく契約獲得につながっている。

毛利さんは外装工事だけ依頼された場合でも、念のため屋根から全部一通り診断する。

ある時、屋根に上がると、瓦が割れているところがあった。雨漏りに関係するところではなかったので、その場でコーキングを施し、無料で補修。作業時間はたった2分だった。

屋根から降り、顧客に「瓦が割れていたところも補修しておきました」と報告したところ、とても喜ばれた。顧客は他社にも見積もりをとっていたが、毛利さんと契約。わずか2分の補修をした行動力のおかげで、相見積もりを勝ち取ることができた。



現場調査の依頼対応はクレーム対応と同じ熱量で

さらに「行動」において、毛利さんは現場調査の依頼には1秒でも早く対応するようにも心がけている。「現場調査の行動力はクレーム対応と同じくらいの熱量で」がモットーだ。

「例えば、何か修理を依頼する時、色々会社を調べ、さらに家族とも相談し、いよいよ勇気を出して電話すると思うんです。その時、電話口で『ああ、来週になりますね』と言われるより、『今すぐに行きます』と言われた方が、電話してよかったと思うんですよ。勇気を振り絞って問い合わせをしたことに対して、誠実にすぐに対応してもらえたら、スタートから気持ちがいい。だから、すぐに行動するようにしています」



現調はビデオカメラで撮影
顧客も納得の提案力

毛利さんが「提案(伝える)」に活用しているアイテムは、ビデオカメラだ。

基本的に外装の診断の様子は、ビデオカメラで撮影する。撮影中は、毛利さんが「こういう状態で、こういうメンテナンスが必要です」といったことを実況する。

その後、顧客にその映像を見てもらいながら現場調査の説明をする。その映像はDVDにして顧客に渡している。

「写真でもいいのですが、動画の方が伝わりやすいですね。屋根の角度が急勾配な場合はドローンで撮影することもあるのですが、それ以外の場合は自分が屋根に上がって撮影しています」

現場調査をしたところ、想定よりも屋根が傷んでいて工事費がかさんでしまうこともある。そんな時でも、実際の映像を見てもらうと、顧客は納得・安心してくれると毛利さんは話す。



スタッフ一丸となり年間売上2億円を達成

同店の毎月の売上目標は1600万円。個人の目標金額はなく、目標達成に向け、スタッフ同士で知恵を出し合っている。

週1回のミーティングで進捗状況を確認。あるスタッフが「難しくてできない」と判断した工事でも、「以前、こういう風にやりかえたらうまく収まったよ」と別のスタッフがアドバイスすることも多い。

そうしたスタッフのやりとりを毛利さんは「いつも素晴らしいなと思って見ています」と嬉しそう。常に営業成績をクリアしており、年間2億円の売上を達成している。



大雨後の一本の電話に顧客が感動、リピーターに

毛利さんには、1本の電話で相見積もりを勝ち抜くことができた経験がある。

ある顧客の屋根の雨漏り修理をした時のこと。数カ月後に大雨が降り、毛利さんは気になって1本電話を入れた。

すると、その電話に奥さんが感動。その後、8回もリフォーム工事を依頼するリピーターになってくれた。

その顧客の親類には塗装業者がいて、他の工務店とも付き合いがあった。しかし、この一件以来、一切相見積もりなしで毛利さんに依頼してくれている。

「実は電話の翌日、スーパーで奥さんにばったり会いまして、『毛利さん、昨日は電話ありがとう』とお礼も言って頂けました。1回の電話で、相見積もりをなくすことができて、僕も嬉しかったです」



一番の幸せの瞬間
「毛利さんに頼んでよかった」

毛利さんが広島から出雲に転居して5年。知り合いがまったくいない土地だったが、今では顧客をはじめ、多くの知り合いが増えた。

「一番幸せを感じる瞬間は、町でお客様に会った時、声をかけてもらえる時です。『毛利さんにリフォームをお願いしてよかった』と言ってもらえることが一番の喜びですね」

今後は「この出雲市周辺というエリアの中で、さらに信頼される会社になりたいと思っています」と毛利さんは話している。


▲▼毛利さんの愛用のアイテムは、ビデオカメラと屋根に登る時に使うはしご(下写真)。現調では、屋根に登り、実況中継も交えながら状況をビデオ撮影している

▲撮影した映像を見ながら、顧客と打ち合わせをする毛利さん



リフォマガ2022年3月号掲載

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