今月の輝く!リフォームセールス~年間1億5000万円売上 職人目線の営業で全国1位の売上を達成

今回登場するのは、ガイソーグループの年間表彰制度「ガイソーアワード」で数々の賞を受賞し、2020年度には、個人・店舗の全国1位(塗装販売部門)を獲得した松村省吾さん。元職人ならではの松村さんの「職人目線」の営業術を紹介する。

▲津和美装社(三重県津市)ガイソー津・鈴鹿店 店長 松村 省吾さん(39)

16歳で津和美装社に入社。10年以上塗装職人として腕を磨く。事業拡大に伴い、28歳から営業職に。31歳で店長に就任した。



ガイソーアワード上位入賞の常連

外装リフォーム専門店のボランタリーチェーン「ガイソー」(全国98社・106店舗。2021年11月現在)。松村省吾さんが所属する津和美装社も加盟し、ガイソー津・鈴鹿店、四日市店として営業している。

松村さんは、ガイソーチェーンで業績優秀な店舗と個人を表彰する「ガイソーアワード」において、何度も表彰されているスゴ腕営業マンだ。2020年には塗料販売個人部門で第1位、店舗部門でも第1位と、ダブルで全国1位に輝いた。

他にも、同グループが主宰する「住まいのリフォーム事例コンテスト」でも、2017年に最優秀賞を受賞するなど、素晴らしい実績を残している。

そんな松村さんだが、「実は喋るのは苦手なんです」という。松村さんは長年塗装職人として現場に出ていたが、会社が大きくなるタイミングで営業職に転身。その「元職人」の経歴を活かした、職人目線の提案が松村さんの営業の強みとなっている。

▲「ガイソーグループ全体総会 in TOKYO 2020」にて、ガイソーアワード2019の「塗料/カバー工法総合部門」の最優秀店舗の二連覇を果たし、表彰される松村さん。左はガイソーグループ代表の小川博司氏。「今後も賞がいただけるように、ガムシャラに頑張っていきたい」と松村さん

▲これまでガイソーアワードで獲得したトロフィーの数々



職人目線で診断書を作成
普段見えないところが大事

現場調査をする時、松村さんは普通の生活をしている際には見えない部分を細かくチェックするようにしている。例えば屋根の板金など、施主が日頃目視できないところの傷み具合を丁寧に確認。他にも、シーリング(つなぎ目)の部分なども、職人目線でしっかりチェックする。それらの写真を撮影し、診断書を作成。その診断書を見ながら施主と相談し、見積書を作っている。

「塗装の前に修理が必要な箇所があるケースも多いですね。お客様の予算もありますので、相談しながら工事の提案をさせていただいています」と松村さん。

予算オーバーになることで、悩む施主もいる。そんな時松村さんは、まず一番傷んでいる場所のみ修理し、他の部分は後に本格的な工事を行うことを提案するなど、施主が自分で選択できるように様々な提案をしている。

修理が必要な箇所はしっかり報告し、選択肢を提示して施主に選んでもらうのが松村さんのスタイル。後々のクレームを防ぐ意味もある。

「せっかくお客様と出会ったわけですから、喜んでもらえる提案をして、しっかり工事を行い、一生お付き合いできる関係を作りたい。それが営業をする上で大切にしていることですね」と松村さんは話す。



「出前取ったから、食べていき」
顧客との信頼関係築く

あるアパートの塗装の案件では、色分けを多めに提案した。樋の色もオレンジ色にするなど、アクセントの効いた外観に施工。築20年以上経っていたアパートがおシャレに生まれ変わり、入居率もアップ。約200万円の工事だったが、オーナーはとても喜んだ。

5年後には、そのアパートのオーナーから、自宅工事の依頼も依頼された。屋根瓦の漆喰工事と外壁塗装で、大きな邸宅だったため、こちらも200万円もの受注となった。

「このお客様にはご自宅に打ち合わせに行くと、『ちょっと出前を取ったから、一緒に食べていき』と食事をご馳走になることもあります。この他にも定期的に工事を依頼していただいています」と松村さん。

職人目線の確かな提案で、顧客との信頼関係を築いている。

▲松村さんが手掛けた鈴鹿市のアパートの外部塗装と屋根のリフォーム。築27年のアパートで、壁はチョーキングが出ており、屋根にはコケが繁殖している場所もあった。それがリフォームしたことで、ブルーと白のツートンカラーのスタイリッシュなアパートに変身した

▲こちらも松村さんが手掛けた案件の一つ。築17年の一戸建てで、外部塗装とシーリング工事を行った。ベランダも劣化しており、防水効果が落ちていたため防水保護塗料で塗装。家全体の壁に艶が出て、美しく仕上がった


他社の見積もりは絶対に否定しない

現在、松村さんの月の売上目標は1200万円。年間にすると約1億5000万円で、ほぼクリアしている。

営業スタッフはガイソー津・鈴鹿店は松村さん1人、四日市店には2名。鈴鹿店の売上は松村さん一人で叩き出している。

売上達成のために松村さんが心がけているのは「一件一件親身になって話を聞き、成約率を落とさないこと」。

相見積もりを勝ち抜く必勝法は、見積書は決して「一式」という表記をしないこと。見積書には平方メートルやメートルごとの価格を明記し、図面や診断書も揃えて提出している。

そんな丁寧な見積書を見た施主からは、「他社の見積もりも確認してほしい」と言われることも多い。

そんな時、松村さんは決して他社の見積もりを否定しない。「僕はこう思いますけど…」という言い方で相談に乗っている。

他社の悪口は言わず、喋りすぎない。元職人らしい誠実な松村さんの姿勢に施主が安心し、確実に受注を決めている。

「時々、『松村さんに塗ってほしいんだけど』と言われることもあるのですが(笑)、『自分は今、塗装しないんですよ』と丁重にお断りをしています」と松村さんは笑う。



営業になったから気付いた職人にしてほしい気遣い

職人から営業職へと転身したことで、気付いたことがたくさんあったと松村さん。

仕事自体はきっちりこなす職人でも、もう少し施主に配慮をすれば、もっと喜んでもらえると、営業職になってから思うようになった。

その一つが養生を外すタイミングだ。

「もう少し頑張れば、この部分の作業が終わり、窓の養生は外せるという時もあります。お客様にとっては、リビングの窓などは一刻も早く養生を外してほしいと思われているはず。職人さんにはそうした配慮もしてもらうよう、現場に行った時には声をかけています」

現在、自社の職人は5人。その他、協力業社も合わせると、常時6〜7班が稼働している。

「職人さんはお客様と直接会って話をしているわけではないので、なかなかそこまで気持ちが行き渡らない。その部分を営業である自分がきちんと伝えていかなければと思っています」



新規開拓にチラシ有効
地元の情報誌にも広告

松村さんは、店長として新規開拓にも力を入れている。今、力を入れているのは「折り込みチラシ」だ。

数年前からホームページなどネットにも力を入れてきたが、外壁塗装会社のポータルサイトが増えたことにより、ここ1〜2年で反響が落ちていると感じている。

同社では、チラシをまく範囲を反響の良いエリアに絞るなどの工夫をしたところ、7万枚で20件以上の問い合わせがあった。また、今まではやっていなかったが、津市の地元密着の情報誌「つぅぴーす」にも広告を出した。

情報誌にはまだまだリフォーム会社の広告は少ないものの、「チラシ、ネット、情報誌など様々な方法で認知度を上げていきたいですね」と松村さんは話している。

▲ガイソー津・鈴鹿店のショールーム。材料のサンプルや色見本、実際に施工した後の外装なども触れて体感することができる

▲松村さんは常に誠実な接客を心掛けている



リフォマガ2021年12月号掲載


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