太陽熱を反射させて室内環境守る
「遮熱塗料」は、熱を遮る塗料です。主に屋根などに使用し、太陽光のうち、熱の原因となる「赤外線」を反射させて内部の温度上昇を防ぎます。室内環境の向上や冷房費の節約に役立ちます。塗料にもよりますが、太陽熱を約90%遮断しますので、使用していない建物と比べると屋根の温度を15~20℃程度低くすることが可能です。また、熱を反射させることによって、塗料そのものの劣化を遅らせ、メンテナンス性を高める効果もあります。
塗料の原料そのものが遮熱するのではなく、顔料の配合比率によって光の反射方法を変えることで遮熱性をもたせています。そのため「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」など、それぞれの塗料に遮熱性があります。色としては、反射しやすい白色が一番効果が高いようです。一般塗料と比較すると価格は高いのですが、急速に広がっています。ただ、遮熱効果が夏期の冷房費節約(省エネ)になりますが、冬期の室内温度を保温する断熱材の効果はありません。
遮熱塗料には熱を伝わりにくくする「断熱効果」のある高機能性の塗料もあり、夏は外の暑さを室内に伝えにくくし、外は温められた室内の温度を外に逃げにくくしますが、その分塗料価格も高額です。
商品選びのポイント
サンプルを取り寄せチェック
塗料そのものの違いによっても商品特徴は変わります。たとえば、アクリルは、価格が安いものの塗り替え目安は6~7年です。一方、フッ素はコストは高くなるものの、塗り替え目安は15~20年となっています。塗料そのものの特性も知っておく必要があります。実際にサンプルを取り寄せるなどして、効果を測ってみるようにしましょう。
1分間で理解する遮熱塗料
チェック1 水性塗料と溶剤系塗料の比較
チェック2 塗料の耐久性による分類
ワンポイント
遮熱塗料はスタンダード化しつつあります。従来の塗料に遮熱性をもたせながらも価格は変わらないものもあり、急速な広がりを見せています。ただし、劇的に室温が変化するというものではなく、一般的なもので2~3℃程度と言われています。今後カラーバリエーションが増えていけば、より採用しやすくなるでしょう。
リフォマガ2021年7月号掲載
0コメント