空気中の熱を利用した省エネ床暖房 ヒートポンプ床暖房

大気熱エネルギーを使う省エネ暖房システム

ヒートポンプとは、大気中や地中の熱を活用し、少ないエネルギー量で効率よく暖房などを行う技術のことです。身近なところではエアコンがあります。そのエネルギー効率の良い点が着目され、床暖房機器にも積極的に活用されています。CO2排出量は、電気ヒーターの約3分の1に減少します。

「ヒートポンプ床暖房」には、床暖房専用の「床暖房専用型」と、「エアコン連動型」「多機能給湯器型」があります。エアコン連動型はエアコンが部屋を暖房している間に、床暖房が徐々に温度を上げるタイプです。これは室温上昇までに時間がかかる床暖房の弱点を克服した商品で、暖房開始後、室温を上げられるメリットがあります。しかし、熱を作り出す室外機は、エアコンと床暖房用を1台で兼ねていますので、パワーが必要な広い部屋(18畳以上)には不向きです。

多機能給湯器型は多機能型エコキュートが深夜電力で作った温水を溜め込み、その温水を給湯と床暖房両方に利用するタイプです。一台で床暖房と給湯に対応できますが、温水を多く利用するのでお湯のなくなりが早いという問題があります。


商品選びのポイント

熱源だけ入れ替えてヒートポンプ式に転換も可能

灯油式やガス式の床暖房を省エネ性や経済性の高い、ヒートポンプ式温水床暖房に入れ替えたいという場合は、熱源だけを入れ替えることで、今使っている温水配管や温水床暖房パネルをそのまま利用してヒートポンプ式に替えることが可能です。「熱源転換」は、熱源だけを替えるという方法です。但し、床暖房パネルの配管材質が架橋ポリエチレン管であることやフローリングの厚みの指定等の条件があるので注意しましょう。



1分間で理解するヒートポンプ床暖房


チェック! ヒートポンプ式の3タイプ

【床暖房専用型】

床暖房専用のヒートポンプでつくった温水で床を温めるタイプ。


【エアコン連動型】

まず立ち上がりの早いエアコンで部屋を温め、床暖房が温まってきたら、床暖房をメインにする。


【多機能給湯器型】

多機能型エコキュートでつくったお湯を、床暖房にも利用。


トレンド

ヒートポンプ製品は、かつては熱交換器と室外機があるタイプが主流でしたが、徐々にコンパクト化が進み、1つのタイプも登場しました。また、エネルギー効率も向上しています。ヒートポンプ製品では、COP(Coefficient of Performance)という数値を見ることがありますが、これは消費したエネルギーに対して得られる暖房(冷房)能力との比を示す数字です。目安として「3」以上のものを選ぶようにしましょう。



リフォマガ2021年7月号掲載

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