今月の輝く!リフォームセールス~センスの良さで顧客から厚い信頼「真似できないデザイン、施主様との関係性で勝負」

今回登場するのは、鳥取・島根で店舗展開している「ホームデコ」の瀬戸川香織さん。顧客のリピート率は7割という人気のアドバイザーの仕事術を紹介する。

▲フィディア(鳥取県米子市) アドバイザー 瀬戸川香織さん(47)

大学では英語を専攻。卒業後は土木系設計事務所で総務として仕事に就く。26歳の時、フィディアが運営するホームデコに転職。現在米子店のアドバイザーとして、リフォーム工事やガーデン工事を手掛けている。



顧客のリピート率7割 多彩な引き出しで対応

ガーデニング・エクステリア・リフォームの店舗ネットワーク「ホームデコ」を展開しているフィディア。瀬戸川香織さんは勤続20年のベテランアドバイザー。ホームデコは家の中、家の外という線引きをせず、家に関わることすべての案件に対応している。瀬戸川さんも屋根の修理からキッチンリフォーム、カーテンのコーディネイト、ガーデンのデザインなど、幅広い引き出しを持っている。

「ホームデコは一人のアドバイザーが最初の打ち合わせから、完工まで担当するマンツーマン方式。そのお客様がリピートしてくださるのが、当店の一番の強みです」と瀬戸川さん。瀬戸川さんの顧客の約7割がリピート客というほどファンは多い。

瀬戸川さんが得意としているのは、グリーンも含めたガーデンの改修だ。

「何十年も経たお庭を再び素敵に改修する。難易度は高いですが、とてもやりがいを感じます」



「あなたの人となりを聞きたいです」という姿勢

瀬戸川さんが営業で大事にしているのは「施主の話を聞くこと」。

「いきなり自分の心の内を話せる方は少ないと思うんです。なので、限られた時間の中でも『私はあなたの人となりを聞きたいです』という姿勢を心がけて、とにかく傾聴する。何に困ってらっしゃるのか、ご家族の様子はどうなのか、できればその方の生きてきた経緯までうかがいたい。工事が大きくなればなるほど、そうやって話を聞くことで、方向性を自分の中で組み立てていきます」

信頼してもらえるかは最初の5分で決まると考えている瀬戸川さん。時にはこちらからプライベートなことも話し、自分を飾らず、等身大で施主と向き合うようにしている。



「この歳になって我慢は嫌」
施主の思いを受け止め契約に

そうした瀬戸川さんの本領が発揮された案件があった。60代の夫婦で、北欧風にリフォームしたいという奥様の強い希望があった。ホームデコに依頼する前は他社に相談していたが、そのアドバイザーとそりが合わず、このままでは思い描いているリフォームができないと感じていたそうだ。

「最初に打ち合わせをした時の『この歳になって我慢は嫌なのよ』という奥様の言葉がとても印象的でした。子育てをしながら働いて、ずっと頑張ってこられた奥様から、娘さんが結婚された今、これからは自分のライフスタイルを充実させたいという思いを感じました」

瀬戸川さんも北欧好きだったことも施主を喜ばせた。施主宅に訪問した時、リビングのテレビに映っていたのは北欧を舞台にした映画。「かもめ食堂ですね!私も大好きです」と瀬戸川さんが気づいたことで意気投合。施主のこだわりを実現させるデザインを提案し、キッチンを含むリビングダイニング、和室を洋室へとチェンジ、廊下のリフォームと合計約300万円の契約に結びついた。

▲▼瀬戸川さんが手掛けた北欧風のリフォーム。左がリビングダイニングのキッチン部分。調理器具や食器を眺めて楽しめるようになっている。右は和室から洋室へリフォームした部屋



見えない敵「相見積もり」 デザイン力で勝ち取る

ほとんどの施主は相見積もりを取るが、瀬戸川さんは「競合他社の名前も金額もわからないことがほとんど。見えない敵と競争するのは無理なので、他社が真似できないデザイン、そして施主様との関係性で勝負しています」と話す。

70代夫婦からのエクステリアとガーデンの改修の案件も、他社との相見積もりとなった。元々立派な庭があり、住宅自体も重厚な雰囲気。そこで瀬戸川さんは道路から玄関まで高低差が40センチほどあったことに注目し、重厚な住宅のイメージとマッチする一枚板の石で浮島階段のような階段をデザイン。さらに前からあった植栽を移植し、住宅とのバランスを考えながらもインパクトのある提案をした。

すると奥様が「ホームデコのデザインがいい」と気に入ってくれ、見事契約を勝ち取った。

▲相見積もりを勝ち抜いた瀬戸川さんのデザイン。高低差のある地形を活かし、玄関まで一枚板の石を階段に使うことを提案。実際のデザインは変更になったが、これが契約の決め手に



施設を無料貸し出し 潜在的顧客を掘り起こし

瀬戸川さんをはじめ、ほとんどのアドバイザーは営業目標をクリアしている。「営業目標を達成できるのは、ホームデコのブランド力のおかげでもあると思っています」と瀬戸川さん。

ホームデコでは、HPやブログなどのSNSを活用しているほか、年に5回、フェアに合わせてカラー事例を盛り込んだ折込チラシを入れている。それとは別に「便利屋」のチラシも月に1回投入。こちらは福井龍介会長の手書きイラストが入った手作り感あふれるもので、ドアノブの交換など低単価の工事に特化している。

さらに潜在的な顧客の掘り起こしとして、成果を上げているのが、手芸やヨガ教室などへの無料の施設開放だ。その他、店舗内に「ワンテーブルショップ」という委託販売のコーナーも設置。毎月商品が入れ替わり、来店する客にも人気だ。

「常にスタッフ以外の方が出入りして、私たちの仕事ぶりを見ていただく機会にもなっています。現在のお客様の4割は教室の生徒さんです」と瀬戸川さんは話す。

▲米子店には店舗に3部屋、本社に2部屋、合計5部屋を様々な教室に無料で提供している(左)ヨガ教室(右)テディベア教室



子育てと仕事を両立 ポイントは「業者選び」

現在、5歳の男の子の子育てをしている瀬戸川さん。早く上がれるよう8時半出社、17時半退社にし、日曜・祝日は休む。その分仕事の効率を上げるためのポイントとなるのが「業者選び」だと考えている。

「この案件に対しての最善・最早のルートを瞬時に考え、どの職人さんに依頼するか決めます。業者選びに失敗すると工事が進まなかったりして、お客様にも職人さんにも迷惑をかける。これまでの経験値を活かして、若手にもアドバイスしています」

▲接客中の瀬戸川さん

▲ホームデコ米子店の店内。雑貨や花の苗なども販売している



リフォマガ2021年3月号掲載

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