高齢者や子供が使いやすいシステムバス研究~あたたかさへの工夫~

施主の家族に高齢の方や子供がいるならば、浴室の安全面や使いやすさには十分配慮したものにしたい。今回リフォマガでは、主要5メーカーの戸建用システムバスをリサーチし、高齢者や子供が使いやすい浴室選びのポイントを3つ(1 浴槽のまたぎ高さと内外段差、2 あたたかさへの工夫、3 カウンターまわりの工夫)にまとめた。全てが標準仕様ではなく、オプション品もあるので、実際にショールームで体験しながら、必要なものを選んでいこう。



高齢者や子供が使いやすいポイント 2
あたたかさへの工夫

ヒートショック予防のための浴室環境を作るためには、浴室や洗面室を暖房で暖め(ステップ1)、断熱化で暖かさを逃がさない仕組みを作ること(ステップ2)が必要だ。


ステップ1

浴室だけでなく洗面室からあたたかく

入浴中に亡くなってしまう原因のひとつであるヒートショック。ヒートショックは特に冬場の急激な温度変化で、血圧が大きく変動することで起こってしまう。そのため、ヒートショック対策として有効なのは、浴室だけでなく、洗面室(脱衣室)から暖かくし、部屋間の温度差をなくすこと。

クリナップ、TOTO、ハウステック、Panasonic、LIXILともに浴室暖房だけでなく、洗面室暖房の取り扱いがある。お客様と相談して、一番使いやすいものを選び、冬場の浴室周りをあたたかくしよう。


ヒートショックは急激な温度変化による血圧変動で起きる



TOTO 浴室・洗面所あたたか快適セット

▲標準仕様の暖房換気扇と共にオプションで洗面所暖房機を選べば、マルチリモコンのスイッチ一つで浴室と洗面所を同時に暖房することができ、それ以外にも洗面所暖房機は涼風、ドライヤー機能もある。



ステップ2

浴室全体を断熱して冷気を遮断

冬場の冷気の流入を少しでも抑えるために、天井、壁、洗い場床と浴室全体を断熱材(保温材)で包んだ浴室がおすすめだ。さらに、浴槽の断熱と風呂フタまで断熱されていれば、お湯も冷めにくく、追焚きの回数も減らせ、光熱費もお得になる。浴室のあたたかさが持続するので、長く入浴する人も、次に入る人まであたたかく快適に。ただし、浴室の断熱がどこまでされているかは、メーカーによって異なるので、商品選びの際には確認しよう。


TOTO 断熱材パック・断熱防水パン

▲断熱防水パンは断熱性を高めるだけでなく、浴槽全体をカバーするので、追い炊きアダプターの破損等による万が一の水漏れを防止することができる。特に2階以上に浴室を設ける場合におすすめだ。


クリナップ 浴室まるごと保温

▲天井、壁、洗い場床と浴室全体を断熱材で包み込んで、あたたかさをキープ。入浴後30分経っても、浴室内にあたたかさがとどまるので長く入浴する人も、次に入る人も、家族みんなが温かく入浴できる。

▲※1 外気温10℃、1坪用1616型(窓なし)の条件で試験を実施。浴槽に42℃の湯をはり、入浴再現としてシャワー湯温42℃を15分散湯。アクリアバスは床夏シャワー1分散湯。保温材なし仕様の壁、天井は厚さ9.5mmの不燃材仕様。(クリナップ調べ/2015年10月)。使用の環境、条件により上記の測定値とは異なる場合がある。


 

リフォマガ2020年2月号掲載

 


⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓

年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000