色にこだわる空間づくり 第9回~家具のインテリアコーディネート~

色の専門家・色彩塾の勝馬さんによる連載の第9回。今回は、家具のカラーコーディネートについてお伝えします。



顧客満足度がぐっと高まる色にこだわる空間づくり

家具のインテリアコーディネート

今回は、家具についてご説明いたします。

インテリアコーディネートに家具の提案は欠かせません。本来ならば、前回お話ししたファブリックと同様、計画段階から予算を組み込むべきところですが、なぜか後回しにされてしまいがちです。工事費に予算をかけすぎて、家具やファブリックまで予算がとれないという始末。家具は、建材やイメージに合わせてカラーコーディネートするので、早めにプランすることをお勧めします。

難しいところは、イメージに合わせた色の色相と明度。木質系の家具は、建具やフローリングに合わせることがセオリーです。

ところが、メーカーが違うと、色相や明度・彩度がズレることがあります。お客様が、元々お持ちの家具を入れる場合もあるため、その場合は、その家具を分析して色彩計画をしていく必要があります。テクスチャーやイメージが違うものは、空間に違和感を感じるはずです。ただし少量加えるのは、かえって新しさに繋がることもあります。

例えば、モダンなイメージの場合、家具のラインは、直線を大事にしたフォルムで、ガラスや表革、スチール、硬質系のものが相性が良く、木でも、スッキリとしたイメージのものを選びます。色に関しては、メリハリのあるコントラスト配色。明度又は彩度や色相で変化を付けます。

その逆で、ナチュラルやシックなイメージが軸の場合は、柔らかいソフトなテクスチャーだと馴染みが良いので、光沢は避けて、マットな質感を大事にしてほしいと思います。コントラストではなく、やさしい配色計画にしましょう。

最近では、グレイッシュな木部が流行していますので、ナチュラル・シックは作りやすいイメージです。他にもいくつかイメージによって、色彩計画のセオリーがありますが、それは次回、ご紹介したいと思います。

▲先日完成した北海道のモデルルームのコーディネート事例



家具は、買う時代から、借りる時代へ

家具は、高価な買い物で、拘り続けると予算がいくらあっても足りないけれど、イメージに合わせて家具をコーディネートすれば、心地いい暮らしに繋がります。

最近話題の「サブスクリプション」。シェアリングサービスの一つで、家具も購入の時代から、借りて利用する時代へと変化しつつあります。モノへの執着がない世代にとっては、便利で、飽きたら変えるという考え方も、今の時代ならではのサービスだと考えます。ライフスタイルの変化に合わせてセレクトできるという点では、予算をかけないでインテリアを楽しめます。

先日完成した、北海道のモデルルームの現場で、利用してみました。月々のリース代だけで、イメージに合った高価な家具を利用できたので、満足のいくプランに仕上がりました。

住宅だけでなく、オフィスや店舗にも今後広がっていくサービスだと思います。インテリアの業界は、お客様の価値観とニーズに合わせてこれから更にもっと変化していくのではないでしょうか?

▲subsclife カマルクジャパン株式会社



【執筆者はこちら】

▲色彩塾 勝馬ちなつ代表

色を軸に形・素材を選び、イメージ提案する衣食住空間のカラーデザインに携わり、20年あまり色彩指導に力を入れる。建築カラーに特化した「color+shapeⓇアカデミー」を2016年に開講。建築に携わるプロフェッショナルが通う。



リフォマガ2019年2月号掲載




年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000