今月の輝く!リフォームセールス~めんどくさいことほど先に真剣に取り組みます

今回登場するのは27歳という若さながら、目覚ましい営業成績を上げている猪俣絵未さん。顧客のちょっとした会話にも耳を傾ける営業スタイルで、丁寧に要望を汲み取っている。また、めんどうなことほど後回しにしない、報連相を徹底するなど、効率よく業務を進められるよう工夫している。


▲三春情報センター(神奈川県横浜市)サブマネージャー 猪俣絵未さん(27)

小さい頃「大改造!!劇的ビフォーアフター」が大好きで、建築に興味があった。2015年に三春情報センターに入社。不動産売買の部署を経て、同社のリフォーム部門「Rstudio(アールスタジオ)」に配属。営業及びプランニングなどの業務に従事。入社4年目の2019年に副店長職であるサブマネージャーになった。



週に1回、直接ポストに手紙を届ける

不動産売買や賃貸の仲介、注文住宅販売、住宅リフォームなど幅広い事業を手がける三春情報センター。その中のリフォーム・リノベーションの「アールスタジオ」に所属する猪俣絵未さんは、年間2億円以上(買取再生販売物件リフォーム工事含む)を売り上げるリフォーム営業だ。

猪俣さんは相見積もりから契約に結びつけるために、週1回、手紙や提案書を直接顧客の家のポストに投函し続けたことがあった。

「弊社はお客様に会いに行くことを大切にしている会社です。郵送だと見過ごされてしまうかもしれない資料も、届けたことによって、お客様に『わざわざ来てくれたんだ』と思っていただけます」と猪俣さん。その顧客は次の打ち合わせの時にその提案書を持ってきてくれ、「ポスト見ました。ありがとうございます。提案書のこの部分は何ですか」と興味を持ってくれ、最終的に契約してくれた。



「なぜそうしたいのか」 根本的な理由を聞き出す

引き渡し後も猪俣さんに「こんなカーテンを買ったから見に来て」「あの棚にはこれを置いたよ」と写真を送ってくれる施主もいる。猪俣さんは「リフォーム後の住まいの様子をお聞きできると、満足していただけたことがわかって嬉しいです」と話す。この施主はご夫婦二人住まい。専有面積約50平方メートルのマンションをリフォームし、1人1部屋、リビングも欲しいという希望があった。

「1人1部屋というと、エアコンがあって、クローゼットも付いている部屋をイメージしがちですが、今回の条件ではそれはできませんでした。しかし、どうしても自分の空間が欲しいということでしたので、3畳ほどの部屋を2つご提案したところ、それが喜ばれたのです。住む方によって住宅に対する価値観は全く違います。『なぜそうしたいのか』根本的な理由をしっかり聞き出し、それを叶えることが満足につながると考えています」

この案件ではリビングの広さも6畳ほどになったため、吊り戸棚を設置し、上部の空間を有効に使えるよう設計。壁面収納も作り、テレビボードもそこに格納できるようにした。この時の予算は1000万円ほど。無駄な空間を作らない、使い勝手重視のリフォームが施主の心に響いた。



細かなことほど後回しにしない

猪俣さんが業務を進める上で大切にしているのは、「めんどくさいことを大切にする」ということ。これは三春情報センターのクレドの一つだ。

「我々はプロとして上限無きスキルを高めると共に、全ての人に感動して頂く為にめんどくさいことを積極的に真剣に取り組みます。お客様がめんどくさいと思っている事を行います」と記されている。

その考えに基づき、猪俣さんは「めんどくさくて、後回しにしがちなこと」から業務をこなしていくようにしている。例えばメールを送る、壁紙のサンプルを集めるなど、小さな業務を先送りにしないことで仕事効率を高め残業時間を減らす。

「私は毎日やることリストを作って手帳に記入しています。それをこなすには、小さな業務を先に終わらせてしまうことがポイントです。図面を描くにはどうしてもまとまった時間が必要になります。その時間を確保するためにも、めんどうなことほど、先にやるようにしています」



しつこいくらいに報連相はこまめに

他にも業務で猪俣さんが重視しているのは「人とのつながり」だ。リフォームの部署内だけでも営業の他、現場監督、積算な他にも業務で猪俣さんが重視しているのは「人とのつながり」だ。リフォームの部署内だけでも営業の他、現場監督、積算など様々な役割の人たちと一緒に業務を進めている。

さらに不動産営業、一般の顧客とのやりとりも多い。報連相(報告・連絡・相談)をこまめに行うように心がけている。

「私はしつこいと思われるくらいに、まめに連絡を入れるようにしています。不動産営業とお客様が物件を見に行く時にも同席しますので、事前にどういう話をするのか、予算はいくらなのか、お客様の情報を収集し、不動産営業と綿密に打ち合わせをします。その上で、この予算で実現できるのか、難しいなら別の提案をした方がいいのか、検討を重ねてから打ち合わせに臨みます」



引っ越し時期を確認 夫婦の会話を聞き逃さない

猪俣さんが打ち合わせの時に、お客様に聞いているのは「引越しの希望時期」。今は賃貸に住んでいて、中古物件を購入しリフォームするお客が多い中、物件の引き渡し=すぐに引っ越し可能と思っているケースが多いという。

「お客様が引き渡しを受けてから着工しますので、完工するのは1、2ヶ月後。引っ越しを急いでいる方の場合、そもそも大掛かりなリフォームができないことになりますので、引っ越し時期は先に確認します」

加えて、注意して耳を傾けているのは、こちらとのやりとり以外の「ご夫婦同士の会話」。「食器棚、買ったばかりだよね」「それをここに置きたいね」といった会話はきちんと頭に留めておく。次の提案の時に「先ほどおしゃっていた家具ですが…」と切り出すことで、満足度の高い提案につながっている。



お客様の立場に立ちゆっくり、丁寧に話す

着実に売り上げを伸ばし続ける猪俣さんだが、入社当初は建築用語がわからないところからのスタートだった。

「建築に興味はあったのですが、大学は文系で建築を学ぶ機会がありませんでした。壁紙をクロスと呼ぶことや巾木が何かも知りませんでした」と猪俣さん。インタビュー中も聞き取りやすく、落ち着いた話し方が印象的だった猪俣さん。

「実は私はとてもおしゃべりで、元気よくしゃべってしまうキャラクターなんです(笑)。なので、お客様に対する時はこれ以上ないくらい、ゆっくり話すように心がけています。お客様はリフォーム工事については知らないことばかりだと思いますので、こちらがパーッと説明してしまうと、質問しにくくなってしまいます。ですので、本当に細かく、ゆっくり説明するようにしています」

▲▼建築・リフォームのショールームがある「スタジオデラ・カーサ」。キッチンやリビング、和室などの様々な空間を体験できる



仕事道具はポーチにまとめて

現場調査に持っていく仕事道具。これらはすべてポーチにまとめて入れている。

1 仕事を道具を入れているポーチ

2 スリッパ

3 電子スケールとスケール

4 ドライバーセット

5 三色ボールペン/電気図は赤、寸法は青、お客様のご希望内容は緑など、色を使い分けている

6 修正テープ/図面を直す時に使う

7 マーキングペン/図面上での梁の位置がわかるように、色を付けるのに使用

8 収納式千枚通し/畳を上げる時に使用

9 キーハンドル/パイプスペースに収納されている給湯器の品番を見るため、扉を開けるのに使用

10 カメラ



修正テープで図面を直し、即提案!

不動産営業と一緒にお客様と物件を見た後、ショールームに戻り、リフォームの提案をすることも多い猪俣さん。その場で修正テープを使い、販売用図面を描き直して提案している。

「販売中の物件の間取りを変えたい場合、まず間取りの線を修正テープで消して、白紙にしてから描き直します。お客様からすると『図面を描き直してからまた後で送りますね』と言われるより、その場ですぐに図面が見られる方がいいですよね。素早い対応力が喜ばれていると感じています」。

手書きの図面が、不動産を買うか悩んでいるお客様の背中を押すキッカケになっている。

▲アールスタジオの施工事例をまとめた冊子も必須アイテム。これをお客様にプレゼントしている


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