受注が決まる!喜ばれる!大規模リフォームの教科書Vol.10

Vol.10[商談中 耐震補強編] 

建物を強くするだけではない耐震リフォーム提案



お客様が耐震補強したい背景を知る

木造住宅の大規模リフォームでは、ほとんどの場合、耐震補強を計画する必要があります。お客様もせっかく大規模にリフォームするのだから、耐震上も安全・安心にしておきたいという事なのでしょう。通常、耐震補強計画を提案する際には、「いかに自社の耐震補強技術が信頼に足るものなのかを分かってもらうこと」を重点に説明されると思います。しかし受注を決める為、またお客様に喜ばれる為の耐震提案は、「家を構造的に安全・安心にする為の耐震技術力を示す」というだけの意識では足りません。では他に何が必要なのでしょうか。

大切なのは、お客様が耐震補強をしたい理由は何なのかを知ることです。しかし、お客様に「なぜ耐震補強をしたいのですか?」と聞くと、たいがい「家が古いから、新しい耐震基準を満たして安心な家にしたい。」と答えます。そこでさらに一歩踏み込んで、「耐震補強をして、安心な状態にしたいと思われる一番の理由は何ですか?」と、お尋ねしてみましょう。すると、お客様それぞれに様々な事情があることが分かります。

例えば、「娘が孫を連れて泊まりに来るようになったから、リフォームすると同時に耐震補強をして安全にしておきたいんです。」や、「昔住んでいた家にいた時、地震でとても怖い目にあって、少しの揺れでもすぐに目が覚めてしまうの…。だから耐震工事をしてぐっすり眠れるようになりたいのよ。」等です。耐震補強したい理由を1つとっても、そのお客様ごとの想いがあることが分かるはず。まずはそれを知ることからです。ただ耐震補強したい理由を聞くのではなく、その先にある背景をヒアリングするようにしましょう。



お客様が期待する以上の安心感を

耐震補強に対するお客様の想いを聞いたら、次はそれにどうお応えするかです。地震に耐えられるように建物を補強する意識は他社も同じです。さらに「お客様の暮らしに安心感」というところにスポットを当てて伝えてみましょう。自社で耐震補強することで、お客様が期待する以上の安心感を得られるということを印象付けたいのです。

例えば、「やっぱりお孫さんが来ている時に地震があると心配ですよね…。そこで、耐震補強壁が出来たら、仕上げ工事で見えなくなる前に、お客様にご確認いただくようにしたいと思っています。そうすると、耐震補強壁の大きさや丈夫さを目の当たりにすることが出来て、完成した後の安心感がより一層大きくなりますよ。」とか、「昔地震で怖い目にあわれたのならば、やはり人一倍怖いですよね…。そこで、全く揺れない様には出来ませんが、通常は耐震評点を1.0まで持っていく補強計画にするところを、今回はもう少し強くなるように計画してみました。こうすることで、一般的な家の耐震補強より強めになるので、気持ちの安心感も加わって、良く眠れるようになると思いませんか。」等です。

このように、お客様の暮らしや気持ちに一歩踏み込んだ内容が提案に付加されると、自分たちの暮らしにおいて、耐震補強工事をする価値を感じやすくなり、お客様に本当に喜んで頂けるようになります。そして、耐震補強計画の提案において、他社がここまで説明することはなかなかないと思いますので、お客様の信頼を得るには、とても有効です。他社と差別化を図るチャンスがここにあるのです。このコラムの読者のみなさんも、耐震補強という工事を、お客様の家の補強という面だけでなく、ご家族のその後の暮らしに安心感を与える為の工事ということをふまえて提案をしてみてください。

きっと、お客様は評価してくれます。ぜひ、お試しください。

~POINT~

1 耐震補強する理由をヒアリングする際は、ただ耐震補強したい理由を聞くのではなく、その先にある背景をヒアリングするようにしよう。

2 自社で耐震補強することで、お客様が期待する以上の安心感を得られるということを印象付けよう。


リフォームコンパス運営会社アイコンパス(株)代表 西尾肇

ゼネコンに勤務後、住友不動産(株)新築そっくりさんに約14年従事し、個人成績全国1位を数度獲得、また運営する営業所でも全国1位を獲得するなど継続してトップセールスの実績を持つ。独立後は大規模リフォーム専門の会社紹介サイト『リフォームコンパス』を運営。大規模リフォーム検討する、一般ユーザーに、会社だけでなく経験が多く役職ある人を担当者に指名して紹介する仕組みを作る。その他、セミナーや研修講師を年100回以上実施、コンサルも行う。

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