受注が決まる!喜ばれる!大規模リフォームの教科書Vol.4

リフォームコンパス運営会社 アイコンパス(株)代表 西尾 肇

ゼネコンに勤務後、住友不動産(株)新築そっくりさんに約14年従事し、個人成績全国1位を数度獲得、また運営する営業所でも全国1位を獲得するなど継続してトップセールスの実績を持つ。独立後は大規模リフォーム専門の会社紹介サイト『リフォームコンパス』を運営。大規模リフォーム検討する、一般ユーザーに、会社だけでなく経験が多く役職ある人を担当者に指名して紹介する仕組みを作る。その他、セミナーや研修講師を年100回以上実施、コンサルも行う。

 リフォームコンパス西尾代表による営業向けコラムの第四回。今月号は『現場調査』について。現場調査のアポを取るためにはどうすればよいのかを一緒に学ぼう。




Vol.4 現調を取りたいのならアピールより聴き取りしよう


現調を取ることだけに必死になっていないか

企業の営業研修に行った時に、「どうしたら現調が取れるようになりますか?」とよく聞かれます。その際いつも「そういうことばかりを考えているから取れないんですよ。」と答えます。


なぜ取れない?

もちろん営業マンであれば、どうしたら現調が取れるのか常に考える必要はあります。来月、再来月の自分の見込み客を増やさなければいけないわけですからね。でも私が言いたいのは、「どうしたら現調が取れるのか。」と接客中に考えていると、現調がなかなか取れないという現実です。なぜなら、お客様は、あなたが現調を取れようが取れまいが一切関係ないからです。ではどうすればよいのか。


どうすればいい?

それは、「どうしたら目の前のお客様の役に立てるのか、ということを全力で考える」のです。なぜって?お客様にとってその方が有難いに決まっているからです。そもそもお客様というのは、何か暮らしに困ったことがあったり、不満なことがあったり、不安があったりして、それを解決するためにリフォームという手段を選んでいますよね。しかしリフォームは当然のことながら自分で出来ることではないんです。だから、リフォーム会社に相談に来られているわけです。

お客様は悩みを抱えながら相談に行っているのに、現調を取りたい一心で、「わが社はこんなサービスがありますよ、私は建築士ですよ、無料で家を診断しますよ。だから「現調どうですか?」とあからさまに営業されても、「じゃあ見てもらおうか。」となるでしょうか。加えて、相談にきたタイミングでは、まだどの会社に見てもらうのかを決めていないので、どんなサービスがあったとしても、無料で診断してくれるとしても、「どうせ他の会社も同様にするんだろう」と思っているので、響かないんですね。それよりも、どんなことにお困りなのかを理解し、共感してくれて、プロとして何か役に立つ方法を一生懸命に考えてくれる人の方が印象が良いはずなんです。そうすることで、「こんな人(こんな会社)になら見てもらいたいなあ」と思うようになるんです。弊社のサービスを利用しているお客様とお話していると、「結局のところどの会社が良いのか自分たちにはなかなか分からない。」ということをよく聞きます。だから、実際は担当者の方を判断して選んでいるケースが多いのでしょう。もちろん、会社の規模や体制、サービスや費用も判断の要素となりますが、営業担当者の立場ではそういう要素は自分ではどうにかなるものではないので、その中で自分が出来ることを精一杯するしかない訳です。



自分こそが会社を代表するプロである

大規模なリフォームともなると、お客様が選ぶ理由は決して理屈だけではありません。むしろ信頼できる担当者にお任せするというポイントが判断基準として大きくなるんです。お客様への第一印象が大切というのは、どこでも言われています。それは本当にその通りでしょう。そこからお客様と具体的な商談ができるかどうかは、営業マンがどうするかにかかっています。責任重大です。だからこそ、印象をよくする必要があります


印象を良くするには?

例えば最初に名刺を渡すときに、「□□会社にお引き合いいただきまして誠にありがとうございます。お客様のリフォームに少しでも役立つように精一杯努めます。担当の○○です。」というだけでも好印象です。その上で、「まずはお客様の現状のお困りごとや不安ごとなど、ご事情を理解させていただくことが大切だと思いますので、その点から教えてもらえますか?」と聞かれると、お客様はとっても嬉しくなると思います。ぜひ、問い合わせしてこられたお客様が、何に困っているのかを理解し、共感したうえで、どのようにお役に立てるのかを全力で考えるようにしてみましょう。

全力でお客様と向き合えば、お客様はきっとあなたを信用してくれるようになるはず。信頼されることが現調することに結びつき、具体的な商談にも繋がっていくのです。本来、現調というのは自分から取るものではなく、お客様から依頼されるもの。常にお客様のお困りごとに全力で向き合うようになれれば、あなたもきっとすぐにトップセールスに早変わりするはずです。


POINT

①あなたが現調を取れようが取れまいがお客様にとっては一切関係ないこと。現調を取ることばかりを考えていても現調は取れない。

②お客様のお困りごとに理解する姿勢を見せ、共感することで、自分の魅力を上げて信頼を勝ち取ろう。



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