いちから学ぶ現場調査【外壁リフォーム】Part5

永年現地調査をしていても、お客様からの質問にはドキッとさせられます。

答えに困った忘れられない質問をピックアップしてみます。


「このサイディングはアスベストが入っているの?」

参考のために教えてということです。このお宅はアスベスト建材の製造が禁止になる1年前(2003年)に建てられた家で、「この時期のものは入っています」と答えたものの『禁止になる前から製造を自粛したメーカーが多かったようだし、入っていなかったらウソをつくことになる』と不安になり、仕様書からメーカーと品番を控えて調べてくることに。結果、入っていないことがわかり、確認して良かったとホッとしました。



「余った塗料で塀も塗ってくれる?」

「そうですね。もったいないですものね。」と答えたところ、そばで作業していた塗装業者に「塗料にも適材適所の使い方があるので、その塀に適した塗料を新たに注文して」と怒られてしまいました。ブロック塀やコンクリート塀は水がしみこみやすいため、土から吸い込んだ水分を吐き出さない。吐き出さないとふくれなどが起こりやすい。そのため透湿性のある塗料を使う必要があります。



「この車と同じ青で塗って」

「即答しない方が良さそうだ」と感じ、その場で決めなくて正解でした。この地域では色彩についてのガイドラインがあることがわかり、結局地域で推奨している範囲内の色で塗ることになりました。近年このように景観を守る取り組みをしている地域が多いので、塗装色の届け出が不要の戸建て住宅であっても、原色など、外壁に使われないような色をお客様から指定された場合、注意が必要です。



「1階には藻がついていないのにどうして2階にたくさんついているの?」

確かに草木が近くに茂っている1階にはほとんど藻がついていません。2階の壁面にはべったり藻がついています。見上げると屋根の庇が少ししか出ていません。思いつきで「北側斜線の関係で庇の出が少ないから、雨風が当たりやすく、塗膜が1階より早く劣化したのでしょう」と答えましたが、果たして正解だったのか…



「玄関扉が木製なので、ついでに一緒に塗って」

玄関扉の塗装は外壁塗装のついでにできるものではありません。専門業者による玄関塗装は扉を持ち帰って埃が立たない状態の中で作業をするほど気をつかう作業だそうです。そのため費用も高い! 結局玄関塗装もできるという別の塗装業者に現地で塗ってもらうことになりました。その細かい作業工程を見ていて、確かに外壁塗装のついでに塗れるものではないと実感しました。





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