私がリーダーになった日~カナジュウ・コーポレーション(神奈川県横浜市)辻元 淑規さん

「マネジメントは子育てと似ている」
採長補短でやる気を引き出す

カナジュウ・コーポレーション(神奈川県横浜市)辻元 淑規さん



26年間トップセールス
ものづくりが生き甲斐

21歳でリフォーム会社に入社してから、リフォーム営業一筋の辻元淑規さん。元々住宅やものづくり、販売職にも興味を持っていたというが、今では「リフォーム営業以外できないのかもしれません」と笑って話す。

カナジュウ・コーポレーションに入社したのは11年前。前職では課長の立場で、今後のキャリアを考えた時に会社と方向性のズレを感じて転職に至った。

入社してから常に年間売上髙1億円以上の実績を上げ続け、2年で主任に。5年目に2課を立ち上げると同時に、課長に抜擢された。現在もチームフォローをしつつ、自身の年間売上は1億2000万円のトップセールスでもある。

しかし、一営業時代には、自分の数字ばかり追っていて、周囲への手助けをする意識は希薄だったと振り返る。意識が変わったのは課長になってから。これまで誰かが補佐してくれていたこと、自分がそのサポートする立場になったことを自覚したという。


長所は褒めて短所はフォロー
自ら考え、動けるチームに

それぞれの長所を褒めて伸ばし、短所を補い合えるチームでありたいと話す辻元さん。

「『こうすればいいのに』と思うことはありますが、やり方の押し付けは相手のモチベーションを下げかねませんから。見返りを求めず、間違えそうなときにフォローする。『この課長、何もしてくれないな』と思われているかもしれませんが(笑)。マネジメントは子育てと似ているな、と思います」

辻元さんが何かを指摘するとき、直球を投げかけない。問題が起きた際は「〇〇に迷惑がかかっているけど、なぜか?どうしたらいいと思うか?」を問いかける。自分で考え、気づかせるためだ。その上で、一緒に解決策を練る。

「営業と同じです。お客様に『これがいいですよ!』と直球で押すより、自ら『これがいい!』と選んでもらうように話を持っていく。受動的でなく、自分の意思がそこにあることが大切です」

ノルマを達成しているのに給料が上がらない、と悩むスタッフに対しても同じだ。「私は100%では足りなくて、常に120%の実績を出せてこそ評価されるもの、と考えます。『あの人はこうして成長していたよ、自分はこうやって昇ってきたよ。あなたはどうする?』」と、自分で考え気づかせるように働きかけている。


「してもらってよかったことを自分がつないでいく」

辻元さんが入社時から変わらず尊敬している上司のひとりが、入社時の面接官でもあった加藤克己本部長だ。現在のマネジメント手法の礎は、加藤さんら上司からの影響を大きく受けているという。

「クレーム対応でも、まず第一に一緒にお客様のところに付き添ってくれて。謝り方、接し方あらゆる場面で、指導されるというより身を持って教えてくださっていましたね。今でも会議進行やまとめ方など、学ぶことばかり。してもらってよかったことを、今自分が実践しています」

管理職の立場として辻元さんが大事にしているのは、橋渡しの役目。顧客と部下、会社と部下の間に立つ場面が多い管理職。双方の気持ちを汲み取り、互いが納得しやすいように工夫を加えて伝えている。



《そっとサポートするリーダー》

相手を尊重することを大事にしています。やる気を引き出したり、困ったときにはフォローできるリーダーでいたいですね。怖い印象はつけたくないので、明るい服を着たりメガネを変えたり、優しくみえるように心がけています(笑)。

▲環境づくりは、自分の力というより、会社のバックアップが大きいなと思うので3点です



お話をうかがったのは…

カナジュウ・コーポレーション(神奈川県横浜市)辻元 淑規さん

神奈川県厚木市出身。47歳。住宅環境営業本部スマートライフリフォーム2課課長。

インテリアの専門学校へ進み、家具の販売員にも憧れたが、建物も販売もどちらもできるリフォーム会社へ入社。カナジュウ・コーポレーションは入社11年目。妻と高校生の娘の3人暮らし。休日には家族揃ってクラシックのコンサートに行ったり、ピアノ専攻の娘の演奏会へ足を運ぶことも。ものづくりが好きで、音楽ならレコードが最良の音で聴けるようにオーディオ機器や配置にこだわる。食ならピザを生地からつくり、自ら栽培した野菜を乗せ、自作のピザ窯で焼く。



リフォマガ2024年6月号掲載

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