今月の輝く!リフォームセールス~入社3年目で社内ナンバーワン 誠実な人柄と親身な提案が最強の営業スキル

今回登場するのは、まったくの営業未経験からスタートし、入社3年目にして社内No.1の営業成績をあげた三坂祥悟さん。実直な人柄で、顧客の信頼を勝ち取っている。

▲にしやま(愛知県豊田市)岡崎店 営業 三坂 祥悟さん(35)

大分県日田市出身。豊田自動織機の工場に14年勤務した後、営業職に就こうと思い、にしやまに入社。リフォームスタジ オニシヤマ岡崎店に勤務する。



32歳で営業に転職でも、向いていなかった!?

愛知県を中心に外壁塗装を手がけている「リフォームスタジオニシヤマ」(運営:にしやま)。その岡崎店に勤務する三坂祥悟さんは、前職は工場勤務で、営業職とはまったく縁がなかった。

「32歳で転職を考えた時、営業をしたいという気持ちがすごく強かったんですね。対面で話をしながら、直接お客様のために何かができる営業は、やりがいのある仕事だと思いました」

リフォーム業界を選んだのは、「安心して過ごせる家づくりを通して、お客様と一生のお付き合いができるところに魅力を感じました」と話す。

しかし、実際に営業として働きはじめると、思うように営業成績は伸びなかった。

「元々僕はそんなに人と喋るタイプではありませんでした。お客様に合わせた話し方ができなくて、自分ではそんなつもりはなくても、お客様の気分を悪くしてしまったり…。言葉の選び方がすごく難しかったです」



転機の訪れは現場管理から
じわじわと信頼を獲得

新人時代の三坂さんは営業マニュアルの文章を必死に覚えて、説明するのに精一杯だった。一方、見習い期間に一緒に営業に回っていた上司は、雑談しつつも、必要なポイントをズバリと聞いていくトークスキルを持っていた。

「マニュアルを使わなくても、お客様の心に入る提案ができていてすごいなと、いつも思っていました」

入社後1年半ほどは、契約がなかなか取れず、「自分に自信をなくし、これから営業としてやっていけるのか、辛い時期もありました」と三坂さん。

転機となったのは、現場管理をするようになってから。現場を回って、だんだんと生まれ変わっていく家を見て喜んでいる顧客の姿を見て、「やっぱりお客様に喜んでもらえる、リフォームの仕事はいいな」と感じてからだった。

それからはなるべく現場に足を運び、顧客と会話をし、職人からは現場について教えてもらうようになった。

当初は職人に怒られることもあったが、「怒ってくれる職人ほど意識が高い」と三坂さん。

「いつも僕が気付かない場所までよく見て、気になったことは発注した仕様になくても改善案として相談してくれる、お客様思いの職人達のおかげでとても助かりましたし、現場監督でもある自分はもっと頑張らないといけないなと思いました」

そんな三坂さんの真面目な姿を見た顧客から、じわじわと信頼を獲得。

入社2年目の後半から契約が取れるようになり、3年目で社内ナンバー1営業になっていた。

▲年上、年下関係なく、敬語で丁寧に話す三坂さん。どんな人にも敬意を持って接している



人となりを知ってもらい、顧客の話をよく聞く

三坂さんは商談の時間、顧客との雑談の中で、顧客のことを知るとともに、自分の出身地や営業職に転職した理由、今この仕事をやっていてどうかなどマイストーリーを出来るだけ話し、人となりを知ってもらうようにしている。

「相見積もりをとっていても、お客様はどの会社にリフォームを頼んでいいのか、本当はすごく不安だと思うんです。営業は『会社の顔』。この人にならお任せしたいと思ってもらえる人になりたいと思っています」

そんな三坂さんでも、以前はセールストークで顧客を納得させることに意識が向いていた。

「でも、それはこちらの都合。契約してもらうための会話になってしまいます。そうではなく、お客様のためを考えたら、まず、お客様の話を聞かないといけない。その上で安心していただける一言が添えられるよう心がけています」

▲ビフォーアフターや各工事の段階を記録した写真をアルバムにして、顧客にプレゼント。今後リフォームする際の参考にもなる



「全然売り込みされないけど、大丈夫?」

顧客からの相談で一番多いのは「雨漏り」。現在雨漏りしているという案件から、ひび割れから雨漏りしないか心配しているなど、内容は様々だ。

三坂さんは築年数や子どもの年齢なども聞き出しながら、今、本当に必要な工事内容だけを提案。子どもの進学時期と重なり、出費がかさむようであれば、そちらにお金をかけられるよう、リフォームとして最低限やるべきことを伝えている。そんな三坂さんの営業スタイルに顧客からは「全然、売り込みがないんだけど、大丈夫なの?」と心配されることもあるとか。

しかし、その方が相見積もりでの成約率は高い。最近は現場調査の段階で、三坂さんの実直な仕事ぶりに好感を持った顧客から、「もう三坂さんにお願いしてもいいよね」と言われることも増えている。

▲三坂さんが愛用しているのは、カメラが取り付けられる伸縮性のポール。上がるには危険な屋根の上などをこれで撮影し、手元のスマホに写真データを送る。現調時、三坂さんは必ず顧客と現場を回り、一緒にチェック。顧客が気になっているところをお互いに確認するなど、情報を共有する



契約はゴールではない
その後の方が大事

営業目標の数字は決まっているものの、三坂さんは日頃、数字をほとんど意識したことがない。

「これは僕の反省点なのですが、売上目標の数字を忘れてしまうんです。それでも目標を達成できているのは、目の前のお客様を大事にしたいという思いを持てているからだと思います。数字は後からついてくると思っています」

契約=ゴールではない。「契約をいただいた後の方が僕は大事だと考えています」と三坂さんは話す。

外壁の塗装工事は費用もかかる上、工事期間中は足場が組まれるなどストレスを感じることも多い。そうした顧客の心配事を解消するため、三坂さんは一日の終わりに、その日作業した内容を細かく報告している。気になるポイントがある顧客や、足場に上がれない高齢の顧客には、工程ごとのビフォーアフターや施工中の写真を撮影して見せている。「これだけやってくれていたら大丈夫だね」という、納得感や安心感をもらった上で、次の工程に移るようにしている。



大切な人に会いに行く
思い出作りの時間

三坂さんは、現場である顧客宅に行く時の気持ちを「大切な人に会いに行く時のような感覚」と表現する。

顧客と過ごす時間は仕事ではあるが、リフォームの思い出を作る時間でもあると考えている三坂さん。時には顧客と一緒に現場で作業をすることもある。

例えば、アパートの外壁塗装では、壁はキレイになったものの、部屋番号プレートは以前のままでアンバランスだったため、気にしていたオーナーと一緒に取替えた。さらに「インタホンも付けたいね」と盛り上がり、住人も巻き込み、皆で一緒に取り付けたりもした。

「そういう時間がすごく好きなんです。僕にとっても印象に残る仕事になりました」と三坂さん。

「しっかり工事を行うことはもちろん大前提ですが、それよりも、どれだけ工事の期間を楽しめたり、良い時間として過ごしてもらえたかの方が、今後を安心して過ごせることにつながると思います」



異業種交流会から刺激
人との繋がりを大切に

プライベートでは異業種交流会に参加し、リフォーム以外の業種の人たちと積極的に関わるようにしている。

「そこに参加している方たちは、誰かを幸せにしたいという気持ちを持っている方が多いんです。それに向上心のある方が多い。そうした方たちと話をしていると刺激を受けます」

勉強熱心な三坂さん。今後はさらに、人と人との繋がりを大切にしていきたいと話す。

▲三坂さんが担当した外壁塗装の案件。パソコン上で何度も色をシミュレーションしたり、板に塗料を塗った見本を持っていき、日に当たるところとそうでないところの色味の違いを確認するなど、時間をかけて打ち合わせした。その結果、とても喜んでもらえ、「外装リフォームの教科書」の表紙写真にも採用された 写真提供/ザメディアジョン

▲こちらも外壁塗装を担当した案件。元々は1色の予定だったが、アクセントとして他の色を入れてみると見映えが良くなることを提案し、喜んでもらえた



リフォマガ2022年8月号掲載

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