今月の輝く!リフォームセールス~豊富な知識で1億4500万円売上げ「誰よりもお客様にとって最適な提案をしていると自負しています」

今回登場するのは、資格に裏付けされた豊富な知識で、営業成績を伸ばしている富田恭平さん。王道の営業スタイルを貫く、オールラウンドプレーヤーにインタビューした。

▲オリバー(富山県富山市)OLIVERリフォーム高岡 課長 リフォームアドバイザー 富田 恭平さん(47)

ビル用サッシ設計、建設会社リフォーム事業部を経て、5年前にオリバーに入社。

取得資格:二級建築士/1級建築施工管理技士/宅地建物取引士/インテリアコーディネーター/富山県被災建築物応急危険度判定士/増改築相談員/既存住宅状況調査技術者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/外壁塗装マスター/屋根リフォームマスター



損得ではなく善悪でリフォーム提案

富山県に本社がありリフォーム、新築、不動産、外装リフォーム、飲食事業を展開しているオリバー。

オリバーリフォーム高岡店の富田恭平さんは、リフォームアドバイザーとして、営業の他にも施工管理を行うオールラウンダーの営業マン。2020年には、年間1億4500万円の売上げを達成している。

そんな富田さんが営業をする上で大切にしているのは「損得ではなく、善悪でお客様に提案すること」。

「お客様が『こんなリフォームをしたい』と言われたことでも、しない方がいいと思ったら、はっきり理由を説明してやめた方がいいと伝えています」と富田さん。リフォームしたことを後悔してほしくないからだ。

以前、あるお客から中古物件をリフォームし、賃貸物件として貸したいと依頼があった。

しかし、富田さんは明らかに借り手がつかないと判断。リフォームする価値がないことを伝えた。結局、その物件は他社がリフォームしたが、4年経った今も借り手が見つかっていない。本当に施主にとって何がいいか、常に富田さんは考えている。



話を聞くのに8割 相槌1割、まとめに1割

施主と話す時、富田さんは「8割はお客様の話を聞き、後の2割は相槌に1割、話をまとめるのに1割」を心がけている。なるべく黙って、施主の思いや考えをじっくり聞く。営業は話し過ぎてしまうと、施主の言いたいことを遮ってしまうことにつながると考えている。

「私は元々話下手なんです。以前はずっとお客様の話を聞いていました。でも、お客様は話しっぱなしで反応がないと逆に不安になります。なので、今のスタイルに落ち着きました」



将来の不安も減らす提案

富田さんは、依頼内容以外でも、将来の生活の不安を少しでも減らす提案をしている。例えば、今後30年以上住む家ならば、10年後には屋根の補修が、20年後にはトイレの便器の入れ替えが必要になってくることなども忌憚なく伝える。

さらにはその家庭に子どもがいて、今後学費がかかると思えば、リフォームローンの金額を抑えることも提案する。

「よくあるのが、お子様のために和室を洋室にしてほしいというご相談です。よく聞くと、大学進学で家を出てしまう可能性もあり、中高6年間しか使わない場合も多いのです。ならば150万円かけるのではなく、壁と床だけで30万円で収めた方が今後のお金のことを考えるといいのでは、とお話をします」

つい最近も外壁サイディング工事と和室を洋室にしたいという依頼があった。外壁サイディング工事は希望通り行ったが、洋室の件は将来的なことを考えて工事規模を縮小。

会社としては受注金額が下がってしまうのだが、「断熱材の施工が薄かったので、浮いたお金で断熱材の補強を提案し、ご依頼いただきました」と、施主にとって有益な提案をしてカバーしている。



多種多様な資格を活かし、売上げ目標達成

売上げ目標を達成するための秘訣は「思い込み」と言う富田さん。

「他社よりも、一番良い提案ができている。つまり、他の会社にお客様が頼むと損をしてしまうという思い込みですね。それが、結果として売上げにつながっていると思います」富田さんは二級建築士をはじめ、1級建築施工管理技士、宅地建物取引士など様々な資格を持っている。そうした知識や技術がこの「思い込み」のバックボーンとなっている。

「若い頃は知識がなかったので、一生懸命やるだけでした。しかし、それだけではダメなんです。やはり知識や技術という裏付けがないと、本当の意味でお客様のためにはなりません」

リフォームの話から「実家の両親が亡くなり、その家を処分したい」という相談を持ちかけられることもある。宅地建物取引士でもある富田さんなら、リフォームのついでに相談に乗ることができる。施主にとっては、わざわざ不動産会社に足を運ぶ必要がなく、ワンストップで相談できるので安心だ。

富田さんからオリバーの不動産部門に引き継ぐことで、案件獲得につなげている。富田さんは仕事をしながら資格をコツコツと取得してきた。勉強時間を作るため、前職では社内の人にお願いし、業務を引き継いでもらうこともあった。

「皆さんの協力がなければ、これだけの資格を取得することはできなかったと思います」



エアコンメンテナンスから2600万円の契約に

富田さんに相見積もりを勝ち抜く方法を聞くと「競合他社がいてもいなくても、最初から適正な提案をしているので、そのまま契約に至っているケースが多いと思います」と話す。他社の価格がどうであろうと、商談中に値引きはしない。

細かなメンテナンスにも丁寧に対応していたことが、大きな契約に結びついたこともあった。18万円でエアコン設置をしたあるお客。3年間に5回以上、エアコンのメンテナンスの依頼があり、その度に足を運んでいた。

「修理のほとんどがフィルター詰まりだったので、その日の電話も『また、フィルター汚れかな』と思って出たんです。ところがいきなり『家を建て直してほしい』と言われて、びっくりしました」

その後、トントン拍子で話が進み、相見積もりもなかった。結局、たった3回の打ち合わせで本契約となり、2600万円を受注した。

「おそらくエアコンのメンテナンスの時に信用を得ていたんだと思います。細かなことも疎かにしないことが大切だと思いました」と富田さんは話す。



課長として他の社員を能力を引き出す

富田さんは今年から課長として2課を預かる立場になった。「自分自身でできる仕事には限りがあります。これからは私が関わることで、他の方の能力を上げられるよう、気を配り目を配って接していきたいと思っています」

富田さんは「リフォーム営業は、5、6回は打ち合わせしないと契約できないと思い込んでいたり、施工管理が忙しくなると営業にブレーキをかけてしまう傾向がある」と分析。

「私が営業に同行し、介在者となって話を進めることで、2、3回で契約できるようにしたいですね。来週打ち合わせして再来週に契約、という話をよく聞くんですが、お客様が工事をしたいと思っているのならなぜすぐに契約しないのか。ワンクッション置かずに、短い打ち合わせ回数で契約になるよう、働きかけていけたらと思っています」

▲和室を洋室へ変えた内装リフォーム。費用は280万円。これまでは壁面が少なく、家具が置きづらかったが、床の間をクローゼットに大改造。絵画を飾るためのピクチャーレールやライトも取り付け、モダンな洋室に変身した

▲築40年の家を全面リフォーム。費用は1300万円。材木店を営んでいる施主の希望で、柱・梁・垂木などは施主が用意。孫がよく遊びにくるとのことで、家事をしながらでも目が行き届きやすい、開放感のある間取りに。建具、床、窓枠、カウンターなどに無垢材を使っており、より温かみが感じられる空間になった

▲富田さんの愛用している道具。簡単な修理は打ち合わせ時に直せるよう常にインパクトドライバーなどの工具を持参している(工事代は別途)。コンベックスのこのメジャーは、クッションがついていて、巻き戻した時にカチンという音が出にくいタイプ。尺目盛りもあり、使いやすく、表面が滑らかなので手を切ったりする心配が少ない



リフォマガ2021年7月号掲載

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『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

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