その図面、NGです!~階段位置が悪い家~

一級建築士事務所スマイリズム堀野和人さんのコラム。今回は南側接道で、4LDKの間取りの家を辛口にチェックして頂きます。


全体のバランスを考え、間取りを作成しよう

今回チェックするのは、南側接道で4LDKの間取りです。1階のLDKの先に畳コーナーがあります。「和室までは不要だけれど、畳敷きのスペースが欲しい。」という施主の要望をふまえて作成した間取りだと想像しました。日当たりがよく、最も条件の良い南側にリビングが配置さ全体のバランスを考え間取り作成するれ、またダイニングから使いやすく、見えやすい場所に、畳コーナーがある配置はとても魅力的です。しかし、上下階をつなぐ階段の位置の影響もあって、2階の間取りの納まりが少し厳しいように感じます。


間取り作成の原則は、まず1階から考えて、その納まりを確認したら2階。出来上がった間取り(平面図)を立面図におこして出来上がりではなく、それぞれの要素を循環させながら、最適なものへと仕上げていく必要があります。口で言うと簡単そうですが、なかなかに難しいことですね。もちろん駐車スペースなどの外構計画にも考慮が必要です。


今回チェックする図面はコレ!


NG① 土間が狭いから玄関に圧迫感が…

玄関土間の奥行が1.365mしかない。現状でも庇が必要なので、アルコーブ(壁面の一部を窪ませて作った空間)を無くして、内部にゆとりを持たせた方がよい。背が低い収納(カウンター)にして圧迫感を軽減する配慮も必要だ。


NG② ドアを開けたら目が合う配置

ソファの配置が悪く、リビングドアを開けて入ると、真っ先にソファーで寛ぐ人と目が合ってしまう。ドアの位置は変えづらいので、ソファーをダイニング側にするとよい。また、テレビの配置もよくない。画面の前を人が通る動線になり、ソファーとの距離も遠い。


NG③ 人と衝突しやすいトイレのドア勝手

トイレのドアが階段の昇降路に向かって開いている。トイレの配置を変えるのが難しいならば、引き戸にする等して、衝突の危険性に配慮しよう。1階のトイレはお客様も利用するので、キッチンの横等見せたくない場所を通る動線も避けたいところ。


NG④ 広々としているのに収納スペースがない

幅が2.275mもあるにも関わらず、収納が計画されていない。このままでは、ただ広いだけで散らかりやすい空間になってしまいそう。洗面室は洗面台と洗濯機置き場だけを考えたらよいのではなく、収納スペースとセットで考えてこそ、快適な空間になる。


NG⑤ 家具の配置が難しく効率が悪い間取り

広さが6帖となっているが、それは通路を含めた広さで、実際の有効面積は5帖程度である。しかも間口が2.275mと狭くて、窮屈さを感じる間取りだ。少なくても2.5m以上は欲しいところ。さらに掃き出し窓もあるため、机、本棚等のレイアウトも難しい。


NG⑥意図的に2カ所作ったのか…?

納戸がない場合、一般的にはクローゼットより、WICの方が好まれる。夫婦それぞれが使えるクローゼットを意図的に2カ所作ったのだろうか?それとも結果的にこうなった?ゾーニングのまずさを感じる。


NG⑦入口と収納ドアの干渉に注意しよう

主寝室は2人部屋である。クローゼット扉を開けたままにすると、出入口扉が全開せず、人が部屋に入れない恐れがある。強く開けることで扉に傷がついたり故障することもあるので注意が必要だ。


執筆者紹介

一級建築士事務所 スマイリズム. 堀野和人代表

ゼネコンで現場管理業務に従事し、その後ハウスメーカーの設計部門を経て、2014年に一級建築士事務所スマイリズム.を設立。地域の住宅販売会社と設計提携するなどして、より設計品質の高い住宅の普及を目指して活動する。本業の他、地域のまちづくり活動や、里山保全活動にも積極的に取り組む。

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