外壁工事の種類

外装リフォームの教科書 Vol.2

外壁工事の種類

「外壁」は、建物を風雨や紫外線から守るシェルターのようなもの。建物を維持する上で大きな役割を担っています。改修工事では、建物の寿命を延ばすためにも、状態を把握した上で適切なアドバイスが求められます。今回は外壁工事の種類とその特徴についてチェックしていきましょう。



外壁工事の主な種類

一般住宅で行われている外壁改修工事の主な種類として、「塗り替え」の他、既存の壁を新しい壁でカバーする「重ね張り(カバー工法)」と新規に壁を作り直す「張り替え」の3工法が挙げられる。外壁の状態、予算、そしてあとどのくらい建物を使用するかといった状況を踏まえた上で、適切な工法を検討することが重要だ。



塗り替え・重ね張り、張り替えのポイント

塗装

【工期】

2~3週間

【メリット】

・費用を抑えられる。

・工期が比較的短い。

・騒音が立たない。

【デメリット】

・クラック補修した箇所を塗装で隠しきれず、みみず腫れのように残ることがある。

【ポイント】

・クラックなど、雨漏れにつながる不具合が残らないよう補修する必要がある。

・サイディング外壁ではシーリング打ち替えも必要


重ね張り(カバー工法)

【工期】

3週間~1カ月

【メリット】

・二重になることで断熱・防音等の付加価値が得られる。

・既存壁の補修手間が省ける。

【デメリット】

・内部に腐れがあってもそのまま残る。

・新規壁材の荷重が更に躯体にかかる。

【ポイント】

・躯体にかかる荷重を少なくするため、窯業系ではなく金属系サイディングを張るケースが一般的。

・給湯器などの脱着が必要。


張り替え

【工期】

約1カ月

【メリット】

・外壁を解体するため内部の問題点がわかりやすく、補修を行うことができる。

・新規外壁の選択肢が増える。

【デメリット】

・解体・廃材処分費がかかるため工事費用は重ね張りより高くなる。

【ポイント】

・既存外壁にアスベストが含まれる場合は対策をとる必要がある。廃材費用も高くなる。

・解体後の雨対策に注意が必要



メンテナンスのサイクル

外壁材や表面塗膜の違いにもよるが、塗膜は5年を過ぎるころからチョーキング現象が起こり始め、手でさわると白い粉がつくようになる。表面に塗膜がある外装材はこのチョーキング現象が塗装メンテナンス時期の目安となる。

外壁材の耐用年数は30~40年なので、2~3回塗り替えてその次のリフォーム時に重ね張りや張り替え工事を検討するケースが多い。しかしメンテナンスのサイクルは住む人によっても違いがある。


《Aさんの場合》

綺麗な状態を保ちたい。こまめに塗り替えて、築40年ほどを目安に内部の補修も含め、外壁を張り替える計画。


《Bさんの場合》

改修の回数を少なくしたい。塗膜の防水機能がなくなるタイミングで金属サイディングを重ね張り。その後は15年を目安に塗り替える計画。



リフォマガ2020年10月号掲載

 

 

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